本記事では、中学受験を経験したことのあるライターが、東京学芸大学附属世田谷中学校の概要や出題傾向、効果的な学習方法を詳しく解説します。
この記事を読むことで、入試対策のポイントや併願校の選び方がわかり、受験準備をスムーズに進められます。ぜひ参考にしてください。
目次
2.東京学芸大学附属世田谷中学校の入試の出題傾向と受験対策
①国語
②算数
③理科
④社会
⑤出題傾向の似ている学校
3.東京学芸大学附属世田谷中学校に受かるには:中学受験のポイント
①おすすめの併願校
②時期別の受験対策
③過去問の効果的な使い方
④保護者様ができるサポート
1.東京学芸大学附属世田谷中学校とは
東京学芸大学附属世田谷中学校は、東京都世田谷区にある国立中学校で、東京学芸大学の附属校の一つです。
「個性的で人間性豊かな人格を育む」「創造性豊かな人間を育てる」「敬愛の精神にあふれた人間を育てる」という3つの教育目標を掲げています。
学校行事も充実しており、1年生はオリエンテーションキャンプ、2年生はステディーツアーや地学実習、3年生は修学旅行など、学年ごとの特色ある活動が行われます。
また、全校生徒が参加する運動会や芸術発表会、テーマ研究発表会などの行事を通じて、生徒同士の交流を深めながら、多様な学びの機会が提供されています。
2.東京学芸大学附属世田谷中学校の入試の出題傾向と受験対策
東京学芸大学附属世田谷中学校の入試は、国語・算数・理科・社会の4教科で実施されます。
私立中学に見られるような難問や奇問はあまり出題されません。基礎的な知識を活用し、発展的な問題を解答する力を問う、ベーシックな設問が中心です。しかし、定員が少なく、附属高校への進学を見据えた上位層の受験者も多いため、毎年ハイレベルな競争となります。
そのため、得点できる問題を確実に取り、不要な失点を防ぐことが重要です。
ここでは、各教科の入試の特徴と対策を紹介します。
①国語
(1)出題傾向
国語は、長文記述が頻出し、特に2018年には120字の記述問題が出題されました。記述問題の長さには幅があり、短文から比較的長いものまで多様な形式で出題されるのが特徴です。
一般的な記述問題は本文の引用が中心ですが、東京学芸大学附属世田谷中学校の問題では、引用に加えて自分の考えを述べる必要があり、高い文章力と論理的思考力が求められます。
(2)対策のポイント
文章を読む際は、要点に線を引きながら読むと、内容の把握がスムーズになります。記述問題では、あらかじめ問題文の中に下線部が示されることが多いですが、自分でも重要な部分に線を引くことで、より理解が深まります。
特に、主語・述語の関係や修飾語のかかり方を意識すると効果的です。
また、一読して全体の流れを把握し、出題されそうなポイントを予測する習慣をつけることで、柔軟に対応できる力が身につきます。
②算数
(1)出題傾向
算数は、基礎的な計算問題から応用問題へと難易度が上がる構成になっており、時間配分が重要になります。前半は計算や基本的な文章題が中心ですが、後半では高度な思考力や柔軟な発想を求められる問題が増えます。
また、例年「データ処理」の問題が出題されており、与えられた情報を整理し、そこから論理的に解答を導く力が問われます。さらに、時間のかかる「並べ方」の問題が含まれることもあり、限られた試験時間の中でどの問題にどれだけ時間をかけるかが合否を左右するポイントとなります。
(2)対策のポイント
基本的な計算力を鍛えるとともに、頻出の「データ処理」や「並べ方」の問題に慣れておくことが大切です。特に、「データ処理」の問題では、与えられた情報を整理し、素早く正確に判断する力が求められます。
また、試験時間を意識しながら問題を解くトレーニングを積むことで、後半の応用問題に十分な時間を確保し、得点を伸ばすことができます。正確な解法を身につけ、解く順番や時間配分を工夫することで、効率よく問題を攻略しましょう。
③理科
(1)出題傾向
理科は、問題数が少なめで、他の科目と比べて難易度が低めです。約7割が選択問題で、基礎知識を問う問題が中心となっています。
一方で、時事問題に関する記述が特徴的で、教科書には載っていない内容が出題されることもあります。そのため、理科の基本知識に加え、日常生活での観察力や最新の科学ニュースへの関心が求められます。
(2)対策のポイント
理科の得点を伸ばすには、「知識の定着」と「応用力の強化」が重要です。基礎問題が多いため、教科書レベルの知識を確実に身につけ、過去問や類題を解くことで正確に答えを導き出す力を養いましょう。
また、時事問題への対応力を高めるために、ニュースや科学に関する記事を読む習慣をつけることが効果的です。
④社会
(1)出題傾向
大問6~8問で構成され、地理・歴史・公民・時事が約3:3:3:1の割合で出題されます。内容は教科書の重要ポイントを押さえた基礎的な問題が中心で、他の科目と比べて難易度は低めです。
選択肢問題が多く、穴埋め問題が全体の3割程度を占めます。
穴埋め問題の難易度はそれほど高くありませんが、漢字指定の解答が多いため、正確に書けるかどうかが得点の差につながります。。
また、近年の試験では時事問題の出題がほとんどなく、憲法をはじめとする社会科の基本知識をしっかり理解していれば対応できる内容になっています。
(2)対策ポイント
時事問題の出題が少ないため、地理・歴史・公民の基礎知識をしっかり定着させることが最優先です。特に、漢字指定の解答が多い点を意識し、正確に書けるように練習しておきましょう。
また、基本問題が多いため、確実に得点できるよう教科書の内容を丁寧に復習することが効果的です。特定の時事問題に時間をかけるよりも、憲法や基本用語の理解を深め、選択肢問題や穴埋め問題に素早く対応できる力を身につけることが得点アップにつながります。
⑤出題傾向の似ている学校
出題傾向が似ている学校として、攻玉社中学校が挙げられます。算数の難易度は東京学芸大学附属世田谷中学校より高いですが、理科や社会では基礎知識を重視した問題が多く、問題数も多い点が共通しています。
また、三田国際中学校も出題形式が似ており、基礎知識を中心に多くの問題が出題されます。ただし、社会の試験では時事問題が出題される点が東京学芸大学附属世田谷中学校とは異なるため、三田国際中学校を併願校として受験する場合は、時事問題への対策も追加で行うことをおすすめします。
3.東京学芸大学附属世田谷中学校に受かるには:中学受験のポイント
東京学芸大学附属世田谷中学校の入試に向けて、おすすめの併願校や、時期別の学習計画、過去問の効果的な使い方についてご紹介します。
①おすすめの併願校
桐朋学園や三田国際中学校がおすすめです。試験問題の傾向が似ており、難易度がやや低めで、併願校として適しています。
また、東京学芸大学附属世田谷中学校よりも難易度が高い学校を目指す場合は、攻玉社中学校がおすすめです。理科や社会の出題傾向が似ており、併願校として選びやすい学校です。
②時期別の受験対策
東京学芸大学附属世田谷中学校を目指すためには、周囲の受験生より少し早めに受験勉強を開始することが理想的です。
※以下の学習時間は、筆者の経験に基づく目安です。
(1)4年生
基礎的な学習習慣をつけましょう。この時期から、1日1~2時間程度の学習時間を習慣化することが大切です。また、塾に通うことで学習への抵抗感を減らし、学習環境に慣れることが重要です。
(2)5年生
基礎的な知識の定着に加え、受験内容の全体像を把握し始める時期です。1日あたり3時間前後の学習時間を確保できるとよいでしょう。
(3)6年生(4月~8月)
4時間以上の学習時間を確保しましょう。また、受験校についても本格的に絞り込みをしていくとよいでしょう。夏休みに突入したら、1日に10時間程度は勉強するようにしましょう。
(4)6年生(9月~12月)
この時期から週に1~2本程度、過去問に取り組むようにしましょう。過去問は新しいものから取り組み、どの問題を間違えたのか整理するようにしましょう。過去問の効果的な使い方は以下で詳しく解説いたします。
③過去問の効果的な使い方
ここでは過去問の効果的な使い方を解説いたします。
過去問に取り組む目的は大きく分けて3つあります。
(1)問題の難易度や傾向をつかむ
過去問を解いた後は必ず復習し、解けなかった問題や、どのような問題が出ていたかをしっかり確認するようにしましょう。直近5年分の過去問は、試験直前の1か月前から解くのがおすすめです。
(2)試験の時間配分に慣れる
試験では時間内に解ききる力も重要です。過去問を解く際は、本番と同じスケジュールで取り組むようにしましょう。
(3)予備知識や基礎知識の定着を確認する
過去問に取り組むことで、自分の知識がどれだけ定着しているかを確認できます。間違えた問題は、関連するテキストや資料で補強し、類似問題にも挑戦しましょう。これを繰り返すことで、試験本番で活用できる確かな知識が身につきます。
④保護者様ができるサポート
(1)生徒様の評価を適切に行う
成績が思うように伸びないこともありますが、生徒様が自信を持ち、積極的に学習に取り組むためには、前向きな評価が大切です。前向きな評価を心掛けることで、成績向上につながります。
(2)保護者様も一緒に学習する
学習中に生徒様が疑問を抱いた際、保護者様がその場で答えられるよう、一緒に学習に取り組むことが効果的です。そうすることで、生徒様のやる気が向上し、学習への意欲が高まります。
(3)基礎知識を確実に定着させる
東京学芸大学附属世田谷中学校の試験では、応用力よりも基礎問題を正確に解く力やケアレスミスを防ぐ力が求められます。そのため、基礎の復習を徹底し、学習計画をしっかり管理することが重要です。
まとめ
東京学芸大学附属世田谷中学校の入試は、国語、算数、理科、社会の4教科で構成されています。
難問や奇問は少なく、基礎的な知識を活用して解答を導く問題が中心です。そのため、得点できる問題を確実に得点し、不要な失点を防ぐことが重要です。
過去問演習を通じて出題形式に慣れ、効率よく解答する力を養いましょう。
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