「自校作成校」とは

「自校作成校」という言葉、聞いたことはあっても、どの高校が含まれるのか、どんな学校があるのかなど、疑問に思っている保護者様も多いのではないでしょうか。

ここでは、「自校作成校」とは一般的にどのような高校のことを指すのかについて、ご紹介していきます。

 

①「自校作成校」の定義

一般的に、都立高校において「自校作成校」と言われている高校は、全日制高校のうち、第一次募集または分割前期募集で一部の教科の問題を学校独自に作問し、行う学校のことを指します。

自校作成校のうち、国語・算数・英語(リスニング問題を除く)の三教科の問題を独自に作成し、社会・理科の問題は都立高校入試の共通問題で学力検査を実施する学校が10校、

英語一科目のみを独自に作成する高校が1校あります。

 

②「自校作成校」の一覧

●国語・算数・英語(リスニング問題を除く)の三教科の問題を自校で作成する高校(10校)
日比谷高校
戸山高校
青山高校
西高校
八王子東高校
立川高校
国立高校
新宿高校
・墨田川高校
・国分寺高校

●英語の問題のみ自校で作成する高校(1校)
・国際高校

 

 

③そのほかに自校で作成した問題で入試を行う高校

定時制高校においても、独自に作成した問題で入試を行う学校がありますが、一般的に「自校作成校」と言われる学校にはこれらの学校は含まれません。

 

「自校作成校」の問題は共通問題とどう違う?

「独自に入試問題を作成する」と言っても、なぜそのような形式を採っているのかや、共通問題との違いが気になりますよね。

また、「自校作成問題は難しい」と思っていらっしゃる生徒様・保護者様は多いのではないでしょうか。

ここでは、独自に問題を作成する理由や、自校作成校の問題が難しいと言われている理由について説明します。

 

①なぜ学校独自に入試問題を作成するのか?

自校作成校は、東京都が指定する「進学指導重点校」、「進学指導特別推進校」、「進学指導推進校」のいずれかに指定されている学校です。

これらは、都立高校の中でも、「特に進学対策に組織的かつ計画的に取り組む学校」と位置付けられ、大学進学のために学校独自の様々な特色ある教育活動を行っています。

そのため、学校の特色を反映させたオリジナルの問題を用いた入試を行い、共通問題では測ることが難しい、より高いレベルの思考力や表現力、問題解決能力、応用力などの力を要する問題を出題することで、より丁寧に、その学校に合った力を持つ生徒を選抜するという狙いがあります。

したがって、自校作成校で独自に作成された問題は、共通問題よりも難易度が高いと言われています。

 

②「自校作成校」の問題はどのように難しいのか?

まず、都立高校入試の共通問題は、マークシート形式で実施されますが、自校作成校が独自に作成する問題は、マークシート方式ではなく、記述式の問題です。

したがって、単純に知識を問うような問題であっても、言葉を正確に覚えて漢字で書かなくてはいけなかったり、文や文章で答える問題が出題されることもあったりする点が、自校作成校の問題が難しいと言われる一つの要因です。

そうはいっても、問題の出題範囲は中学校までの学習内容であることは共通問題と同じです。

ですから、受験生に差をつけるために、問題の整理が必要だったり、丁寧な読み取りや計算が求められたりするような、より複雑で、解くのに時間を要する問題が出題されます。

つまり、じっくり時間をかけて取り組めば解けるような問題を、限られた時間の中で要領よく解かなければならないということです。

速さと正確さが求められている点が、自校作成校の問題の難しさだと言えるでしょう。

 

「自校作成校」の問題の特徴は?

先述した通り、自校作成校の問題はマークシート式ではなく、記述式で回答する点が一つの大きな特徴です。

また、難易度の高い問題を、より速く正確に解くことが求められます

以下、各教科ごとの特徴を解説いたします。

国語

読解問題の課題文が共通問題に比べて分量が多く、また文章自体の難易度も高い点が挙げられます。

文章中に使用されている語彙も、教科書レベルを超えたレベルの言葉が使用されることも多々あります。

さらに近年では、大学入試改革の流れを受け、図や表からデータを読み取るような問題や、大問の中で2つの課題文を読む必要のある問題など、複数の情報を複合的に読み解くような問題が出題されています。

記述式の問題ではあるものの、最もふさわしい選択肢を記号で選択するという形式の問題も多く出題される点も、自校作成校の国語の問題の特徴と言えます。

選択肢一つひとつの情報量も多いため、いかに丁寧に、かつ正確に読めているかが問われます。

数学

出題数は共通問題と比べて少ない場合が多い点が特徴です。

その代わり、答えを導き出すための考え方を記述するなど、ひとつの問題の回答を導くまでにより多くのステップを踏まなければいけない場合が多く、そのぶん、一つの問題を解くのに時間がかかると言えるでしょう。

ただ、出題分野が大きく変わることはほとんどないため、各校の傾向は捉えやすいはずです。

英語

長文読解問題で、自然科学系の題材を扱った文章が出題されやすい傾向があります。

また、共通問題では、問題に対する答えの根拠に当たる内容が本文中にある場合がほとんどであるのに対し、自校作成校の問題では、表現方法を換えたり、根拠が傍線部から離れた部分に書かれたりなど、一筋縄では回答できない場合が多くあります

 

①学校ごとの違いや特徴はあるのか?

自校作成校の問題は、各学校が求める生徒像に基づき、それに沿って作問されるため、例えば同じ「進学指導重点校」に指定されている学校同士であったとしても、出題傾向や問題数は学校によって異なります。

したがって、偏差値の高い学校ほど問題の難易度も高いというわけではないという点には注意が必要です。

 

②他の難関国公私立校との類似点は?

受験する高校の過去問題以外にも、似たような出題形式や傾向の問題で演習を積むことが合格への近道です。

したがってここでは、他の難関国公私立校との類似点をご紹介します。

国語

自校作成校の問題の国語は、選択問題が多く出題されているという特徴があることから、東京学芸大学付属高校の過去問には一度チャレンジしておくとよいでしょう。

また、記述力を養うのであれば、慶應女子高校開成高校などの問題もおすすめです。

全体のバランスとしては、桐光学園高校の問題も、選択問題が多い一方で比較的分量の多い記述問題が出題されるので、特に進学指導特別推進校や進学指導推進校の自校作成校の受験を考えているのであれば、力試しによいでしょう。

数学

自校作成校の数学の問題は、手間はかかるものの、奇問の類は少ないため、オーソドックスな高校入試の数学の問題の演習を数多くこなしていくのがよいです。

そういった点で、慶應義塾早稲田実業早稲田高等学院淑徳栄東などの問題は併願先として受験を考える生徒様も多い学校だと思いますので、問題に触れておくと、自校作成校の問題を解くうえでもよい練習になるでしょう。

反対に、私立難関校で稀に見られるような、ひらめきが必要なような問題は出題の可能性が低いので、そういった問題は優先順位を下げて取り組んでもよいでしょう

英語

英語においては、早稲田・慶應系列校の問題が自校作成校の問題の長文問題に類似しており、参考になります。

とくに慶應女子高校では、科学分野を題材にした長文が出題されるため、特に進学指導重点校を受験する生徒様には、試験対策として非常に有効でしょう。

 

「自校作成校」の問題の対策

一口に「自校作成校」と言っても、学校によって問題の傾向や難易度は様々です。

まずは過去問を実際に見てみて、どのような問題なのかを知っておくことが必要です。

そのうえで、似たような問題を探して演習を重ねていきましょう。

 

①国語の対策方法

国語の試験対策として共通してできる対策としては、新書なども用いながら、ある程度長さのある教科書レベル以上の文章に読み慣れておくということが必要でしょう。

また、漢検2級レベルあたりまでの漢字は最低限読めるようにしておくことが、文章読解においても、漢字の読み取り・書き取り問題対策としても有効です。

最近の大学入試改革の流れを受けた問題が出題される可能性もあるため、図や表を取り入れた問題や一つの大問の中で複数の課題文を読む必要のある問題などにも取り組んでおくのがよいでしょう。

 

②数学の対策方法

数学の場合、出題される分野が大きく変わることはほとんどないため、まずは過去問を分析し、頻出の分野を洗い出すことが大切です。

答えを導くまでの過程も書かなければいけなかったり、作図や証明の問題も出題されたりるため、記述力が重視されていると言えるでしょう。

そのため、添削指導などを受けることをおすすめします。

よく出題されている分野の様々なタイプの問題に取り組み、問題を見てある程度答えに至るまでの道筋がイメージできるようになると安心です。

 

③英語の対策方法

特に対策をしておきたいのが、長文問題と英作文です。

長文読解問題の総語数は、例年共通問題では2000語程度であるのに対し、自校作成校では2300語から3000語程度と、少し長めであることが多いです。

長文問題は、読むスピードもある程度は重要ですが、求められている情報を正確に拾い上げることができるか、ということがより重要です。

また、様々な問題にあたる中で、「見たことはあるはずなのに意味が分からない」という単語はその都度確実に理解していきましょう。

英作文においては、単語のスペルミスや文法のミスは命取りになります。

自分の使いこなせる文法・単語で確実に点数をとっていく必要があるため、日頃から丁寧に問題に取り組むとともに、数学の記述問題などと同様に、誰かに読んでもらうようにするとよいでしょう。

※都立国際高校を受験する場合

都立国際高校を受験する場合には、特に英語に力を入れる必要があるでしょう。

他の自校作成校と比較しても難易度が高いので、十分な対策が必要です。

都立国際高校は、国際バカロレアコースと国際学科の2コースがあります。

ここでは、国際学科の一般入試について述べます。

試験問題は、大きく分けて長文読解、英文法、英作文の問題がありますが、英作文では80~100語程度の単語を用いて作文を書く必要があります。

また、長文読解や文法の問題も、余裕を持って合格するためには、英検2級程度の力が必要です。

海外で生活されていた経験があるなど、英語が得意な生徒様の場合には、問題の出題形式に慣れたり、正確な文法で答えたりできるように準備しておくことをおすすめします。

 

「自校作成校」受験に向けて、家庭内で何ができる?

保護者様にとっても子育ての中で迎える重大な出来事と言える高校受験。

ただでさえ不安なのに、生徒様が「自校作成校」を志望しているとなると、その不安もなおさらですよね。

そんな不安を解決するために、家庭内でどのようなことができるのかを解説していきます。

 

①会話の中で様々な話題に触れる

自校作成校で出題される、国語の評論問題や英語の長文問題の題材は、生徒様が普段の生活のなかであまり触れる機会がないものだったり、時事的な内容のものが取り上げられることもあります。

文章で取り上げられている事柄に関して、少しでも知っていることがったり、触れた経験があれば、生徒様も落ち着いて問題に向き合うことができるはずです。

そのため、ご家庭においても、生徒様とのやりとりの中で、様々な話題に触れ、生徒様の社会への視野を広げられるようにサポートしましょう。

ニュース番組を見たりする中で、生徒様が物事に対して自分の考えを持てるようにすることで、高校進学後も自然と広い視野で物事を捉えられるようになるでしょう。

 

②共通問題使用科目との学習のバランスを確認する

自校作成校の受験を決めると、どうしても自校作成問題に注力してしまいがちです。

しかし、どの自校作成校も優秀な受験生が集まっているため、国数英3科目で独自問題を使用する学校あっても、理科・社会でしっかり点数を取ることは必須です。

自校作成校の受験を考える生徒様は、ある程度すでに学習の習慣が身についているかと思います。

ですので、テストの結果なども参考にしながら、保護者様が学習の舵取りをして受験準備をするというよりは、「理科や社会はどう?」といったように、生徒様がご自身で各教科のバランスを意識できるような声掛けができるとよいでしょう。

 

最後に

今回は、「自校作成校」の定義や都立高校入試の共通問題との違い、対策方法について解説しました。

自校作成校の問題は、それぞれの高校の求める生徒像に基づいて作られるので、学校ごとに問題の特徴や傾向には多少の差はありますが、共通問題では見取ることのできない思考力や表現力などを試す問題が出題され、正確さやスピードが求められる点はすべての自校作成校に共通して言えることでしょう。

今回の内容も参考にしながら、ぜひ親子一緒に、生徒様の志望する高校の過去問を分析してみてください。

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