1. 中学のテストで悪い点数をとってしまう原因
「長い時間をかけてちゃんと準備したはずなのに、テストで点が悪い。」
そんなときは、最も根本的な学習習慣や、そもそもテストを受けることに慣れていない、といった原因が考えられます。
中学校特有の事情も踏まえつつ、テストの点が悪くなってしまう原因を解説していきます。
①勉強の時間がうまく取れていない
(1)勉強時間の総量が足りていない
中学校のテストは小学校までと違い、膨大な範囲を取り扱い、内容も難解になります。
そのため、テスト対策にはかなりの時間を割かなければなりません。
しかし、生活の中で勉強時間を捻出することは容易ではありません。
部活や他の活動も忙しく、そもそも必要な勉強時間が取れていないというケースは多くあります。
・「計画性は大事」だと思いながらも、振り返ってみると実は思っているほど計画を立てられていない
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といったことはありませんか?
このことはもっとも根本的であるにも関わらず、見落としてしまいがちなポイントです。
中学校に入って生活が変わる中で、時間をうまく使えているかを、まずは確認するようにしましょう。
(2)科目ごとに適切に勉強時間を割り振れていない
またたとえ全体で時間を確保できたとしても、その中で科目や単元のバランスを取ることができていない場合もあります。
科目ごとに適切な時間を割くことが重要ですが、実際には一部の科目に偏ってしまうことがあります。
全体では多くの時間をかけてテスト勉強をしていても、一つの科目だけ時間を取ることができなかったために、悪い成績をとってしまうこともあるのです。
上手な時間の使い方ができているのかも確認するようにしましょう。
②勉強の質が不十分である
ではそれぞれの教科についてしっかりと時間が確保できれば、確実に成績を上げることができるのでしょうか?
実はそんなことはありません。
勉強するということは知識を正確に理解することです。したがって、知識の定着まで到達しなければ、テストで点を取ることができません。
当たり前の話ではありますが、勉強の質を十分なものにする必要があります。
例として数学の勉強を考えてみましょう。
中学校で数学を勉強したとき、問題の解き方だけ習っても自分で解けなかった経験がありませんか?
実際私は、中学校一年生の最初のテストで、一次方程式の問題が解けず、50点も取ることができませんでした。
私はしっかり教科書を読んで方程式のことを理解していたはずなのですが、問題が解けませんでした。
それは、教科書の本文に書いていることに注目するあまり、問題を解く手順をしっかりと押さえていなかったからです。
一次方程式の問題には解くためのステップがあり、ステップを踏めば必ず答えに辿り着けるはずです。
しかし、教科書を見て「一次方程式とは何か」ということばかり勉強していたために、「一次方程式を解く方法」について知識をしっかり身につけられていなかったのでした。
この例から分かることは、どのような知識が必要であるかを勘違いしてしまうと、テストでは点が取れないということです。
つまり、何を理解するべきかを理解して、ポイントを押さえた学習をする必要があります。
なお「何を理解するべきか」ということは教科によって変わってきます。
「2.次のテストで良い点数をとるためにはどう勉強する必要があるか」の項目で、教科ごとに必要なことをアドバイスしておりますので、ぜひご覧ください。
③テストに慣れていない
これまでの二つの原因は、学習においてもっとも根本的なことでした。
生徒様はこうした課題に立ち向かっていくことで、知的にたくましくなっていきます。
しかし、それだけでは限界があるのが「テスト」というものの難しさです。
生徒様にとって、中学校の「テスト」というものはとても独特な場です。
テストとは、
・長い時間とたくさんの問題が与えられ、ひたすら的確な答えを書き続けなければいけない。
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そういった、普段の生活とは異なった、独特の空間が「テスト」という場面なのです。
しかも、テストには様々な形式があります。
「記述式」「選択式」「正しいものを選ぶもの、誤っているものを選ぶもの」「原因を答えるもの、結果を答えるもの」
これらの複雑な形式にフィットしなければ、先生は点数を与えてくれません。
実際私は、記号を選ぶ問題で答えを書いてしまい(”B.”と書くべきなのに「アメリカ」と書いてしまう、等)10点を失ったことがあります。
また「誤っているもの」を選ぶ問題で、「正しいもの」を選んでしまって20点失ったこともありました。
とても表面的なことに思えるかもしれませんが、テストという独特な場面ではこうしたミスが起こりがちです。
こうしたことに注意力を削がれて別のミスをしてしまうこともあるでしょう。
ですから、テストを受ける前に、テストという独特で難しい環境に慣れておく必要があります。
問題集や塾のテキストにテスト形式の問題が載っていることも多いと思います。
学校の先生が準備問題のようなものをくれる場合もあるでしょう。
こうした資料を活用して、十分な準備をしておく必要があるのです。
2. 次のテストで良い点数をとるためにはどう勉強する必要があるか
さて、ここまでテストで悪い点数を取ってしまう原因について解説してきました。
テストで良い点数を取るための近道は、これらの原因を解決することです。
それぞれの原因について、解決策を見ていきましょう。
①1学期とテスト直前の学習計画を立てる
テストの点が悪い第一の原因は、時間をうまく作れなていないこと、そしてそれをうまく時間配分できていないことでした。
こうしたこと改善するためには、長期的な視点に立って自分の生活をデザインすることが必要です。
・生活の中で、いつ、どれだけの時間を取れるのか。
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を考えていかなければなりません。
計画の立て方を、一つ紹介したいと思います。
これは私が中学校2年生の時から実践していたことですが、学校の先生の進め方や塾との兼ね合いもありますので、あくまで一例として参考にしてみてください。
私は、「テスト二週間前」と「それ以前の1学期を通した普段の学習」に関して、それぞれ別の計画を立てて学習を進めました。
普段の学習では「授業についていくこと」を目指して、テスト直前では「テストでの点数を最大化すること」を目指しました。
普段の学習では、予習・授業・復習のサイクルを回していました。
テスト直前には、
(1)授業の内容の復習
(2)細々とした知識の補充
(3)テスト形式での演習
の三つのカテゴリーに分けて、異なった方針でスケジュールを立てました。
(1)授業の内容の復習
これには、ある程度まとまった時間が必要です。
そのため、家に帰って、夕飯を食べた後の時間に復習を行う計画としました。
(2)細々とした知識の補充
一方でこちらはスキマ時間を活用して取り組むことができます。
私は授業と授業の合間やお昼休み、ご飯の時間を主に活用しました。
ここで、細かい知識に偏りがないように、どの日のどの時間に何の教科のどの分野をやる、ということを事前に計画に織り込むようにしました。
また、細かい知識は忘れてしまいがちですから、どの内容についても2度は時間を取るよう心がけました。
(3)テスト形式での演習
気をつけなければいけないのは、こちらに取り組むときです。
先に述べたとおり、テストという場面は非常に独特な空間です。
有意義な練習をするためには、テスト本番並みの緊張感をもって演習に臨む必要があります。
環境も、本番同様の環境を用意する必要があります。
ですから、確実に試験時間ほどの間は中断しなくて良い、なおかつ家が静かな時間を確保して、スケジュールに組み込む必要があります。
私の場合、弟がいてよく勉強中にちょっかいをかけられていたので、テスト形式での演習は、弟がサッカーを習いにいく土曜日にやっていました。
勉強の性質に応じてスケジュールの立て方を工夫することが必要であることを、わかっていただけたでしょうか?
暗記は繰り返す必要がある、勉強によってはまとまった時間が必要、等場合によっては家族との予定調整も必要となってきます。
②ポイントを押さえた学習をする
学習の質を上げるためには、授業で扱った内容のポイントを押さえる必要がありました。
それぞれの教科についてどのようなポイントを押さえる必要があるかを解説します。
教科書やノートの中で、ポイントとなっている場所にマーカーを引くなどして、ポイントを適切に押さえることを心がけてください。
国語 |
攻略が難しい評論と小説のポイントを説明します。
文章を読むということは、筆者が書いていることを理解する必要があります。 評論では筆者の主張を的確に押さえなければいけませんし、小説では描かれている情景を頭の中で思い描かなければいけません。
授業では、先生が指示語や感情を表す表現にチェックを入れて、解説をしてくれるでしょう。 これらは、筆者が書いていることを理解するために行なっていることです。
したがって、先生がチェックを入れた言葉がどのようなことを意味しているかを丁寧に押さえて、話を理解する必要があります。 |
英語 |
英語は比較的単純な文法と、多種多様な語法の組み合わせによって成り立っています。 英語を学ぶときのポイントは、文法を的確に押さえることと、語法を的確に押さえることです。
文法をしっかりと学ぶには、教科書を精読し、先生の説明とすり合わせることがいちばんの近道です。 そして、実際の英語の形で使える必要もありますから、たくさんの例文に触れることを通して、生きた文法の知識を身につける必要があります。
語法についても、例文を通して生きた知識を身につけることは有効です。 ただし、語法については注意点があります。 語法は、特定の文の中でしか使わないという、非常に例外的な性質を持っているものです。 したがって、語法が使えるための条件を見逃さないようにすることが必要です。 語法を学ぶときは、条件もセットで覚えるようにしましょう。 |
数学 |
数学では問題の解き方をしっかりと身につけていることが必要です。
ところで、どの単元にもいくつかの「基本問題」があるかと思います。 生徒様が押さえるべき「解き方」は、この「基本問題」の解き方です。 テストでは問題集とは辺の長さや数値などを変えた問題が出てきますから、「解き方」はどんな設定の「基本問題」でも対応できるようにする必要があります。
まとめ方はいろいろありますが、私が実践していたのは料理のレシピの形で(フローチャートの形で)まとめる方法です。 こういう設定の問題のときは、設定のこの部分をいじってこんな手順を踏んでいく。 1ステップごとにしっかりとまとめを作ることで、盤石な土台を作ることができます。
応用問題といえども基本問題と同じステップを踏めば解けるように作られていますから、この方法は数学が得意な生徒様にとってもおすすめすることができます。 |
3. テストの点数が悪かった際、保護者はどう受け止めればよいか
返却されたテストの点数が悪かったとき、そこには必ず何かの原因があります。
そのため、最初にするべきことは、テストの点が悪いのには何か理由があるに違いないと考えることです。
このことは当たり前のように聞こえるかもしれませんが、想定外の点数に思わず生徒様を叱ってしまうこともあるかと思います。
そうでなくとも、保護者様が何かできなかったものかと、心配が先行してしまうこともあるかと思います。
もちろん、感情は大事です。生徒様を思う気持ちを持ち続けることは当然のことでしょう。
しかし、全力で生徒様の成績を上げるためには、感情ではなく論理で原因を追求することが必要です。
どのご家庭でも、生徒様を取り巻く状況は複雑です。
・部活をして、塾に行き、家でも勉強する。
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中学校に進学されたばかりであれば、新しいことばかりで生活を整えることが難しくなることもあると思います。
その中で、テストの点が悪い理由を探るには冷静に生活と学習全体を分析する必要があります。
点数が同じであっても、
・勉強が苦手で点を落としてしまった
・たまたまその教科だけ勉強時間が足りていなかった
・ケアレスミスで多くの失点をしてしまった
など、多くの原因が考えられます。
点数はあくまで結果でしかなく、原因については教えてくれません。
原因に集中して、冷静に探っていくことが重要です。
4. テストの点数が悪かった時に、保護者が行うべき声かけ・対応
中学校に入ると、一部の生徒様は反抗期に突入し、保護者様との関係を大きく変わる場合があるでしょう。
そのため、生徒様との間の距離感がどの程度であるべきかについては一概に言うことはできません。
それでも、何らかの形で生徒様のテストが悪かった原因が明らかになり、生徒様自身の行動につなげる必要があります。
テストの点が悪かった原因を明らかにするためには、生徒様に学習やテストを受けたときの感覚を問いかけることが重要です。
「この教科にはちゃんと勉強の時間を取れたのかな?」
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こうした問いかけを通して、生徒様は自身の課題に気がつくことができます。
そう簡単に原因が見つからないこともあるかと思いますが、粘り強く問いかけていくことが重要です。
さて、原因を明らかにしつつも、そこから具体的な行動に繋げる必要があるのでした。
このための前提として、生徒様が勉強のためのモチベーションを維持できることが必要です。
例えばテストの点が悪くて落ち込んでいるのでしたら、
「点が悪いのはテストに慣れていないだけかもしれないから、気にしなくていいんじゃない?」
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などと声をかけて、意欲を失わないようにする必要があります。
また、学習環境を改善も重要です。
もし生徒様がテストのような緊張感で演習を行う必要があるのでしたら、ご家庭で静かな環境を用意する必要があります。
そのために、例えば
「次の土曜日に去年のテストの問題を解いたりする?もしそうなら弟を公園に連れていくよ」
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というように、勉強のための環境づくりに協力することを示唆することも有効です。
こうした会話から、生徒様がどのような学習環境を欲しているのかを知ることもできるかもしれませんし、それを具体的な行動に移しやすくもなります。
5. テストの点数が悪かった時に、保護者がしてはいけない声かけ・対応
さて、テストの点数が悪かったときにはテストの点が悪い理由があるのだと考え、その原因究明とそれを受けた行動の変容に結びつけることが重要であるとお話ししてきました。
したがってやってはいけないのは、
・テストの点が悪かった原因を明らかにすることを妨げることと
・仮に原因が明らかになったときに、生徒様が行動に移すことを妨げてしまうこと
です。例えば点数が悪いという結果だけに注目して叱ってしまうと、何が原因だったのかという建設的な対話を生むことができません。
テストの出来に危機感を感じていることを伝えるのは問題ありませんが、そのことが生徒様を萎縮させることに繋げないことが必要です。
また、行動を妨げないように配慮する必要があります。
生徒様が集中して勉強したい時間があるときに、そうした環境を作れているか、不必要に声がけを行ってしまっていないかを考えなければいけません。
絶対にやっていけないのは、生徒様との対話を絶やすことです。
テストの点数が悪かった原因を知るためには、保護者様と生徒様との間で対話し続けて原因を探っていく必要があります。
学習の環境を整えるためにも、どの時間に生徒様が集中したいのかを把握しておく必要があります。
原因究明・行動変容の両面において、対話こそが最も基礎的な要素となっています。
ですので、生徒様との対話を大切にすることが重要です。
まとめ|二人三脚で原因に向き合い、テストでいい点数を!
テストで点数がとれない根本的な理由、及びテストの点を改善するために必要なこと、について解説してきました。
前述の通り、全力で生徒様の成績を上げるためには、感情ではなく論理で原因を追求することが必要です。
生徒様との日頃の対話を丁寧に行いながら、ぜひテストの結果と向き合ってみてください。
生徒様が反抗期等で、対話が難しい場合は、第三者の方(塾や家庭教師)に依頼するというのも手です。
生徒様の中学生生活が充実したものとなるよう、応援しております。