1. 高校生の反抗期の特徴
高校生は中学生よりもさらに大人として見られ、社会からはそれ相応の振る舞いが求められますが、
心理的にはまだまだ未成熟で、子ども特有の万能感(「自分たちは何でもできる」という思い込み)が強い子も沢山います。
そのため中学生の時よりも
・大人の言うことを無視する ・高圧的な態度をとる
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などの反抗が強く表れる場合が多いです。そのほかにも高校生の反抗期にはいくつか特徴があります。
まずは代表的な特徴3点を紹介していきます。
①思考力と行動力
高校生は中学生の時よりも頭が回ることは言うまでもありません。子どものためを思って話していても、言い負かされたりうやむやにされてしまうことも珍しくありません。
また男の子の場合は筋肉もついてくるので、母親ではどうしようもできない場面も出てくるでしょう。
さらに中学生の時よりも行動力が増し、行動範囲も広くなります。なかには親と口論になり、家出をする子どももいます。現実に歌舞伎町でたむろしている子ども達が社会問題となっていますね。
また、友好関係も広がります。様々な人との出会いが子どもを大きく成長させてくれるならいいのですが、なかには悪影響を及ぼすようなつながりや犯罪に巻き込まれる事例も存在します。
②フラストレーション
音楽、アニメ、ライブなど、成長するにつれて好きなものや興味のあるものがはっきりとし、子どもの世界が広がっていきます。
・その世界をもっと知りたい、自分もやってみたいという思いが強くなる一方で、 ・「お金がない」「時間がない」「親が許さない」などの現実的な制約
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があり、板挟みになってしまいます。
このように欲求が何らかによって阻止され、満足されない状態にあることを心理学ではフラストレーションと呼びます。
フラストレーションが蓄積することで、攻撃的になり、反抗期も相まってますます手が付けられなくなるでしょう。
③反抗期の終わりの時期
高校を卒業するころには反抗期は次第に落ち着いていきます。
愛媛大学が行った研究(注1)によると、反抗心が低下した理由として、
【子どもの心理的成長】 ・価値観が養われたり精神的にも成長して(反抗心が)低くなった ・自分の精神が安定した、等
【感謝の心】 ・1人暮らしをして親のありがたみがわかって、金銭的・精神的サポートが目に見えるかたちでわかり、感謝と申し訳なさから(反抗心が)低くなった、等
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が存在していることが明らかになりました。
高校卒業が間近に迫り、社会に出る準備や、自分1人で生きていく現実が見えてくることで、自然と反抗心が無くなったり、
今まで自分がどれほどの援助を受けてきたのかを客観的に認識することで反抗期が終わりを迎えていくのですね。
2. 反抗期の高校生には、どのように接するべき?
ここまで高校生の反抗期についてまとめてきました。
思考力と行動力が高まりつつある高校生の場合は、親への反抗として家出や引きこもりなどをすることもあり、関係を修復するのが難しくなってしまう場合があります。
そこで次に、反抗期の高校生への接し方について解説していきます。
①「しつけ」よりも「対話」
親にとって子どもはいつまでも守るべき・導くべき対象であります。存分に愛情を注ぎ、時には心を鬼にしてしつけてきたでしょう。
そんな大切な我が子に失敗してほしくない、立派な大人になってほしいと願うのは自然なことです。
しかし、子どもはもう大人の階段を昇っており、いつまでも子ども扱いされることを快く思っていません。まずはこの部分をしっかりと認識していく必要があります。
そして対等な立場として接し、注意ではなく交渉、言いくるめではなく対話をしてあげてください。
例えば帰宅時間が遅くなる頻度が多くなる子どもに対して「連絡ぐらいきちんとしなさい」「もっと早く帰ってきなさい」と伝えては逆効果です。
・「晩御飯のこともあるから○○時には連絡が欲しいんだけど、どうかな?」とどうして連絡してほしいのかを明確にし、最終的な決定権を相手にゆだねることで返答しやすくする
・「最近帰ってくるのが遅くて心配だよ」と親が感じていることを伝えることで、「早く帰ってきてほしい」メッセージを送りながらも過干渉にならないようにする
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などの工夫を行っていく必要があります。
あくまで重要なのは対話であるため、即効性は薄いですが、関係性を作っていかないことにはこちらの話に耳を傾けないため、長期的な働きかけが重要です。
②互いの思いのすり合わせを行う
親が思っていることと子どもが思っていることがズレていることはよくあります。
例えば「部屋は常に綺麗にするべき」と親が思っていても、子どもがそう思っているとは限りません。それにも関わらず、子どもに部屋を綺麗にするように強制するのは押し付けです。
・「どうして綺麗な部屋を保たなくてはいけないのか」について子どもに伝え、 ・逆に「どうして部屋を綺麗にしないのか」を子どもから教えてもらう
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等することで、落としどころを見つけてあげてください。
私も思春期の子どもと接する際に、私の言い分や思いに筋が通っていない時や、子どもの考えに納得した時は素直に折れることを心がけています。
大人が折れる姿勢を見せることで子どもが「この人は私の意見を聞いてくれる」と感じ、この後もスムーズにコミュニケーションができるようになるからです。
③物理的に距離を取る
しかし、どうしても意見が合わず、互いに納得できない時が出てくると思います。その時は無理に対話を続けようとしないでください。
ここで互いに感情的になると反抗期の子どもがどんな行動に出るかわかりません。1度時間をおくことで、互いに頭を冷やす時間を作ってください。
そのあとの行動の重要なポイントとして
・先ほどまでの雰囲気を引きずらない ・無理に解決しようとしない
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が挙げられます。
時間をおいた後に怒っている雰囲気や気まずい空気を作ってしまっては互いに居心地の悪い空間になってしまいます。あっけらかんとして、子どもも話しやすい雰囲気作りを行ってください。
また、「それでさっきの話の続きなんだけど」と無理に解決までもっていくのもNGです。
急を要する問題ならば仕方ないですが、そうでないならその日のうちに解決するのではなく、親の言い分を聞いた子どもが行動を変える可能性もあるので、しばらく寝かせておいてもかまいません。
子どもの方から話を振ってきた場合に対応するぐらいに考えておけばいいでしょう。
3. 反抗期の高校生に、勉強を促すにはどうしたらいい?
大学受験を控えている高校生。親としては悔いのない受験にしてもらいたいですよね。
しかしそんな親の思いに反してなかなか勉強をしようとしない子どもに対してどのように促していけば良いのでしょうか。
今回は反抗期の高校生に勉強を促す方法を2つ紹介していきます。
①勉強の先にある将来に注目させる
大学受験のための勉強がその後どのように将来に繋がっていくのかまで鮮明にイメージできる高校生はなかなかいません。
そんな不透明なことのために頑張るよりも、アニメやゲームに没頭したり、YouTubeをずっと見ている方が面白く、楽であることは言うまでもありませんよね。
そこで
・大学生活がいかに楽しいか ・大学生になるとどれほどの時間を自由につかえるか
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を教えることで、「受験勉強=楽しい未来のために必要なもの」という認識を持ってもらいましょう。
アニメやYouTubeを見たり、ゲームを楽しむことはこの先の人生いくらでもできます。しかし受験勉強はそうはいきません。
「衣食住の心配なく勉強に専念できるのは今しかない」この部分も合わせて伝えていけるといいでしょう。
ところで人間のモチベーションは2種類あると言われています。
1つは「自分から進んで行おう」とする内発的動機づけです。
・勉強することで将来どんな時間が待っているのかを想像して、モチベーションを高めていく
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ことが内発的動機付けに該当します。
そしてもう1つは「外部からの働きかけによって行おう」とする外発的動機付けです。
・勉強をすれば欲しいものを買ってもらえる ・成績が上がるとお金がもらえるから勉強する
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といったことが具体例として挙げられます。
勉強をすることで報酬(欲しいものを買ってもらう、お金をもらう)が得られるようになると、次第に報酬を得られなければ勉強をしなくなってしまいます。
これを心理学ではアンダーマイニング効果と言います。これでは自ら進んで勉強しなくなってしまいます。
そのため勉強において、外発的動機付けは避けた方が良いとされていますので注意してください。
②環境を整える
そしてもう1つが勉強する環境を整えることです。
集中できる環境は子どもによって異なります。静かな空間がいい子もいれば雑音があった方が集中できるという子もいるでしょう。
こちらも一方的に勉強環境を提供するのではなく、子どもと対話し、子どもの意見を聞いたうえでの環境作りを行っていくといいでしょう。
勉強する空間を作り出すことにおいては、家庭教師が最適です。
塾や学校では周囲の音や目線が気になったり、話しかけられることで集中が途切れてしまいます。また、移動時間もかかってしまうため、その分効率が落ちてしまいます。
それに対して家庭教師は家に来てもらうので、その時間は勉強をせざるを得なくなります。また家庭教師とマンツーマンのため、不用意に集中力が切れることもありません。移動時間ももちろんないため、最大限時間を有効活用することができます。
また、大学生活やアルバイト、サークル活動などについて家庭教師から話を聞くことができるため、モチベーションを高めることもできるのです。
最後に
今回は高校生の反抗期の特徴と適切な対応方法、そして勉強の促し方について解説しました。
高校生は中学生までの反抗期とは異なり、様々な問題に発展してしまう可能性が高くなっています。
大学受験という壁もある中で、反抗期の子どもと関係性を悪化させてしまうと、その後の人生に大きな影響を及ぼしかねません。
そうならないためにも、
・子どもとのコミュニケーションを大切にし、 ・お互いの要望について話し合い、 ・上手くいきそうにない時には物理的に距離を取る
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ことをしながら、親子で反抗期を乗り越えていく必要があります。
時間が経てば次第に反抗心は弱まり、反抗期以前のような親子関係に戻っていきます。
親の焦りや感情の揺れは子どもにも伝わってしまいます。親はどっしりと構え、子どもにプラスになる行動をとるように心がけてください。
【脚注】
注1)江上園子,田中優子(2013).第二反抗期に対する認識と自我同一性との関連
【参考文献】
今福理博,斉藤汐奈(2020).思春期における第二反抗期経験と対人依存及び家族関係との関連の検討
臼井利明(1997).青年心理学の観点からかみ「第二反抗期」