1. フェリス女学院中学校とは?

hutoukou_11

JR石川町駅近くにあるキリスト教系の女子中高一貫校です。横浜市山手の異国情緒あふれる丘の上にあり、環境面に恵まれています。
神奈川の女子校の難関大学合格実績を牽引してきた学校で、2024年度は東大6名一橋4名東工大5名といった大学合格実績のある難関校です。6年間を上質な環境と良い学友と共に学べる環境の人気は不動のものとなっています。
フェリス女学院中学校は入試は2月1日に1回の試験方式のため一発勝負。神奈川の受験開始初日にコンディションをピークに持っていく必要があります。思考力が必要な問題や、早く正確に問題を処理して解答していく力が試されます。

 

2. フェリス女学院中学校の入試傾向について

hutoukou_15

それではフェリス女学院中学校の入試について、具体的にチェックしていきましょう。
各教科では特に2024年度入試でポイントになった問題を厳選して解説します。

①フェリス女学院中学校入試の特徴

フェリス女学院中学校の受験科目や入試結果は次のとおりです。

 

<受験科目>

・算数50分(100点)
・国語50分(100点)
・理科30分(60点)
・社会30分(60点)
※4教科320点満点

 

 

<2024年度入試結果>

・合格者最低点:非公表
・合格者最高点:非公表
・合格者平均点:非公表
・受験者平均点:202点(63.1%)

 

 

<受験者平均得点率>

・算数57点
・国語74点
・理科34点
・社会37点

 

他の中学校と異なり、非公開情報が多いのがフェリス女学院の試験です。受験者平均点は明らかになっていますが、不合格者の中の下の層が平均点を下げていることを考えると、平均点はあくまで参考値として考えるのがよいです。平均点から考察していくと、国語の得点率が高いことが特徴に挙げられます。国語はみんなできるので差は大きくつかず、算数の出来によって影響を受けることが見てわかると思います。概ね70%ラインを目標にして準備を進めましょう。

②算数

大問4題構成で出題されています。例年5題構成でしたが2024年から変更になりました。頻出分野は数の性質、場合の数、割合や比、速さ、平面図形などがあります。算数の得点で差がつくので、時間もかけてしっかりと準備をしたいところです。
大問1は小問集合です。(1)は計算問題で、それ以降に速さ、比、図形といった問題が出題されます。ここは得点源として正解を狙いたいところです。
大問2は数の性質、速さ、整数といった問題が近年は出題されています。2024年は整数の積について考えて行く問題でしたが、難し目の問題でした。
大問3以降は特殊算、立体図形、速さ、場合の数といった問題が出題されており、いずれも「得点すべき問題」を得点しきることが大切です。
2024年度特徴的だった問題は大問2の数の性質の問題でした。整数の積について考えていきますが、2や5といった素数がいくつ含まれるかということで整理をして考えます。1つ1つの操作を丁寧に考えて処理できるかどうかが試されました。

③国語

近年は大問4題構成で出題されています。読解問題の他に中学受験で必要とされる文法問題漢字の読み書き、そして知識問題も出題されるため、継続した学習が求められている教科です。
大問1は小説です。選択問題が中心になっていますが、問題数が多いので時間配分に気をつけながら消去法などで確実に解答していく必要があります。
大問2は論説文です。200字の記述問題があることが特徴で、この問題が毎年受験生を悩ませる問題です。設問の条件をつかみ、本文中にあるキーワードを使ってまとめることが必要な難問です。
大問3は語句の問題、敬語、助詞、語句指定作文といったように文法に関する問題が出題されます。
大問4は漢字の読み取り、書き取りでした。
2024年特徴的だった問題は前述しましたが大問2の記述問題でした。フェリスの国語といえばというくらい有名な出題傾向であり、記述解答の作成技術は当然のこと文章の構成能力なども磨いておきたいところです。また問題としては100点中20点と配点の割合が大きいためこの問題を書ききれるような力をつけておきたいところです。

④理科

例年4題構成で4分野からバランスよく出題されています。分野ごとの出題順は決まっていませんが、試験時間に対して記述解答の問題が多いことが特徴です。特に2024年は生物と地学の記述が多い年でした。
実験や観察を経て得た資料などを読み解いて考える問題が多く、30分という試験時間のなかで解答できるよう文章の読み取り、そして判断力は高いレベルまで準備しておきましょう。
2024年度特徴的だった問題は大問4の地学の問題でした。雨水の流れかたに関する問題でしたが、2問の説明記述があり、起こる現象を第三者に正確につたえられるだけの表現力、そして端的な説明能力が必要な問題でした。理科ですが、国語の記述問題レベルの構成力が必要な問題でした。

⑤社会

大問数は本年度は減って3題でした。例年2〜4題構成になっており、説明記述問題があることが特徴です。近年は資料や与えたれた情報から考察して解く問題が出題されるようになっています。
2024年は大問1が総合問題、大問2が歴史、大問3が公民といった出題となっておりますが、年によって出題分野は変わります。
30分の試験時間ですが設問数は40問程度あり効率よく解いていく必要があります。まずは解ける問題を見つけ確実に得点することを意識しましょう。
2024年度特徴的だった問題は大問1Aのe問題でした。佐賀県唐津市の事業構想に関する問題でしたが、産学連携や地域活性化といったテーマでとてもよく考えられた問題でした。地域経済、特に地方についての興味関心があるかどうか、また考えられているかで差がつく問題でした。

⑥問題の形式が似ている学校は?

併願のことを考えると、フェリス女学院と同じような女子校トップ校の問題を対策するのがベストです。洗足学園中学校、豊島岡女子中学校、横浜共立中学校などの入試問題を活用するとよいです。他にも教科によって東京の女子御三家を活用することもありです。

3. フェリス女学院中学校を受験する際の併願パターンは

note2

受験校を決めるにあたっておすすめなのは「第一志望校の受験日までに合格」をしていることです。どの生徒様にとっても初めての受験。併願校で合格して本命に望むことができるかどうかは大きな安心材料になります。1月に受験する併願校から2月2日まで徐々にステップアップして受験をすることが個人的にはおすすめです。

①1月受験校

 

浦和明の星女子中学校

 

1月受験は基本的に練習という位置付けになります。受験する必要があるかどうかをよく吟味して、出願する場合は準備を、そうでない場合は2月1日の本命へ向けての準備を進めましょう。

②2月1日

 

午前:フェリス女学院中学校
午後:田園調布学園中学校・湘南白百合中学校

 

第一志望校のフェリス女学院中学校の本番です。まずはここで力を発揮しましょう。
午後の田園調布学園中学校・湘南白百合中学校はいずれも算数のみ受験ができる学校です。算数にアドバンテージがあるのであれば、ここで合格をしておけると今後の出願にも余裕を持てます。

③2月2日

 

横浜雙葉中学校・洗足学園中学校

 

地域で考えると横浜雙葉中学校を受験する生徒が多い日です。お住まいによっては洗足学園を併願します。

④2月3日

 

横浜共立学園中学校・青山学院横浜英和中学校

 

複数の受験校が選択できますが、通学を考えて選択することになるでしょう。最終的には成績と相談で横浜共立中学校はよいか、青山学院横浜英和中学校がいいかを決めるようになります。また公立中を受験するという選択肢もあります。

⑤2月4日

 

田園調布学園中学校・神奈川大学附属中学校

 

神奈川の女子校は候補が少ないため、東京の学校まで視野に入れるかで出願校が決まります。

⑥2月5日

 

洗足学園中学校・田園調布学園中学校

 

合格を確保できていない状況になってしまったのであれば、田園調布学園中学校などが候補として上がってくると思います。この日はなるべく考えずに受験を進められるようにしておきましょう。

4. フェリス女学院中学校の受験対策方法 

kamokubetu-sakubun5

フェリス女学院の入試問題は最難関にふさわしく全科目、全分野の準備をしておく必要があります。
まずは基礎の学習を徹底しましょう。基本の土台があって初めて力が生きてくる問題も多いですから、早めの準備とたっぷりと余裕を持った学習、そして勉強だけでなく様々な自然、社会といったものに興味関心を持つことも大切です。それでは具体的に解説していきます。

①時期別・教科別対策内容

(1)小学四年生

受験勉強は小4から始めましょう。
逆算して考えると小4までに算数は特殊算(周期算・植木算・つるかめ算など)の考え方や図形の理解を深めたいところです。
国語は読書量を増やし、説明文読解に触れる機会を増やすことが大切です。
理科は4分野が満遍なく出題されるため小4生の段階ではまず中学受験教材を使って学習をスタートし、理科は百科事典や図鑑を見て知識を広げておくことをしましょう。
社会は地理、歴史、公民といった分野の出題があるため地理は地図帳や資料を読み、歴史は歴史まんがなどを活用、公民は新聞やニュースを見るようにしておきましょう。興味関心を日常的に広げるのが大切です。

(2)小学五年生

受験科目の学習スタートです。「算数国語は小5で一通りの学習を終え、理社は図表や地図など知識を深める」ようにしましょう。
算数は小5までで単元ごとの学習を完了しましょう。フェリス女学院の問題は基本的な問題から、特殊算の応用、空間図形など幅広く出題されます。
国語は記述問題と文法事項の確認を進めましょう。文法の学習が必要なのは問題に文法が出題されるからだけでなく、選択問題を論理的に考えて解くことと、記述問題を正確に書けるようにするため必要です。特にフェリス女学院特有のの200字記述問題は十分な記述対策が必要です。
理科は計算が必要な問題、速さ、質量、体積の問題を十分演習しておきましょう。特に化学や物理の計算問題については出題されやすい傾向にあるためしっかり練習しておきましょう。
社会は近現代の統計が揃っている時代の資料を使った問題を解いておき、教科書にも出てくる農産物の生産量、工業製品の出荷額など目を通してください。社会の教科書のグラフ、資料の読み取りの時間を作ることもやっておきましょう。

(3)小学六年生(4月〜6月)

全領域を完成させて総合演習に入る時期です。この時期には入試問題を演習しましょう。自分で対策をするというよりも、志望校対策をする中学受験塾に通って効率よく仕上げ学習をするのがよい時期です。
算数と国語は総合演習です。志望校以外の入試問題で構成された演習問題を解きながら実力養成をしましょう。志望校の入試問題は9月以降にとっておき、入試本番を想定した過去問演習で使うのがよいです。この時期は時間内に問題を解く、正確にミスなくできるようにする、そして得意分野を作っておく練習をする時期です。そして復習ノートを作って間違い直しをして、自分の弱点分野にあたる学習を復習しておきましょう。
理科社会も分野別の学習から分野を横断した入試問題形式の学習を進めましょう。この段階で知識不足がないように、小4、小5の学習を進めておきたいところです。

(4)小学六年生(7月〜8月)

まとめの時期です。基礎、標準レベルの問題で失点しないことが中学受験では重要なため、夏期講習などを通して徹底して基礎力を固めましょう。そして勝負を分けるのが難度の高い問題です。
理社はここがまとまった弱点補強の機会です。分野別に復習をしていくこと、資料を読み解いて知識を深めることなどやりたいことはたくさんありますが、優先準備を決めて取り組みましょう。
塾では志望校別のテキストを使って対策をする時期です。この時期は成果重視で学習塾などの環境も上手く使うべきです。また、ともに同じ志望校を目指して学習する同級生がどの程度のレベル、到達度なのかを比べ合うことも重要な経験です。

(5)小学六年生(9月~11月)

志望校の過去問題の演習時期です。第一志望校と併願校の過去問題を演習し本番力をつけていきます。試験慣れをして、最後まで集中しきって解答できるように、この時期にリズムをとって進めていきます。最低でも過去問題は10年分。一度ではなく二度三度と解きなおしをしていきます。
この時期の学習のポイントは「本番力の養成」です。入試本番の試験時間、試験問題を意識した学習を進めて本番で得点できる力をつけます。
詳しくは「過去問題対策方法」に記載していますのでそちらもご覧ください。

(6)小学六年生(12月~1月)

入試本番へ向けての最終調整の時期です。この時期には志望校、併願校、入試スケジュールなどはほぼ決まっていますので、試験日から逆算して過去問題の演習と弱点補強、日々のルーティンとしての問題演習などを進め、万全の状態で本番を迎える準備をする時期です。
規則正しい生活リズムを意識して、健康的な生活を意識しましょう。受験のことを考えると集中力のピークを午前中に持っていけるようにしましょう。

②フェリス女学院中学校の過去問対策方法

(1)過去問の効果的な使い方

フェリス女学院中学校の入試のような難度の高い入試問題は次のように進めるのがおすすめです。

①入試本番と同じ時間、時間割で問題を4教科解く

②自己採点をして解説をよく読む
③該当分野の問題演習を進める
④間違えた問題は再度チャレンジする

この4つです。

(2)いつから解き始めればよいか

標準的な開始時期は小6の9月です。
過去問題の対策は、4教科の学習と演習が終了した後に実施しましょう。受験勉強のなかで、過去問題を使った学習は本番の次に重要と言ってもいいくらいの大切な学習です。ですから雰囲気を味わいたいので大問1つだけ昨年度の問題をやってみるといったことは避けて丸々1年分解くことがおすすめです。

(3)何年分を何周解けばよいか

4教科で10年分は解いておきましょう。時間に余裕があるのであれば15年分解いても良いと思います。
ただし、1度解いて終わりではなく、解き直しと再チャレンジを含めても同じ年度を最低3周は解いておきたいところです。入試の過去問題はどの問題が出題されても、バッチリできるようにしておくのがベストです。

算数は特に勝負を分ける科目です。最低10年分を3周は必ず、問題の独自性を考えるとさらに追加して過去問題の演習はしておきたいところです。
時間配分や問題の解き慣れにもなるように、たっぷり時間をかけて準備を進めてください。
国語は10年分を3周必ずしておきましょう。そして記述問題の根拠を時間内に見つけ、文構造を組み立てて解答する練習をしっかりしておきましょう。
理社についてはまずは10年分。復習は2周分でも足りるかもしれませんが、分野ごとの演習として遡って問題を解いておくのはありです。ただ、問題を解く前に単元別の復習をよくしておくべきなので、得点と時間をよく考え、相談しながら決めましょう。

③保護者様にできるサポート内容

(1)生徒様のモチベーションを高める

受験へ向けて最も成績を左右するのは生徒様のモチベーションです。高いモチベーションを維持するには身近にいる保護者様がよいパートナーになっていることが望ましいです。生徒様は怒ったり、叱られるということよりも「信頼され期待される」ことのほうを望んでいます。特に学習ではテストの点数などで落ち込んだり、フラストレーションがたまることがあります。その時によく話を聞いて、優しいアドバイスや前向きな言葉がけをしていただくだけで生徒様はまた頑張ろうと思って行動に移すことができます。特に親子の関係では、「生徒様の意見をよく聴く」ことを意識してください。

(2)スケジュールの管理、ペース配分などのサポート

小学生が苦手なところとしてどの生徒様もあるのがスケジュール管理です。中学受験をする小学生はある意味アスリートと同じような状態にありますので、マネジメントを保護者様がすることでプレーである学習に集中できるようになります。いつまでに何を終わらせるか?といったことも生徒様だけに任せてパンクしてしまうよりも、ご家庭でオープンにして「いつまでに何をやる」という目標を立てたり、「うまくいかなかった場合にどうリカバリーするか」などを管理していただけると生徒様も安心して学習に集中できるようになります。

(3)学習環境の構築

学習環境は中学受験ではとても重要なポイントです。ここでの学習環境は勉強部屋のような施設・設備だけではなく、使う教材や通う塾のことも示しています。
多くの方は中学受験塾にご通塾され準備をすることになると思いますが、教材や塾選びも大切です。どのくらい生徒様の面倒をみてくれるか、相性はどうか?といったところまで生徒様にすべて考えさせることは難しいですから、保護者様が万全の状態で受験の準備ができるように、整えていくことが大切です。

 

まとめ

神奈川女子校の最難関であり、人気も伝統もあるフェリス女学院中学校。合格のためには十分な準備が必要です。
入試問題も難問もありますが、基礎を大切に自ら積極的に考える思考と姿勢で学習を進めていくことでそれ自体が入試対策にもつながります。
生徒様の主体性を大切にしながら、多くの学習機会を作ってぜひ学ぶ楽しさを感じで学習を進めてみていただければと思っております。

 

フェリス女学院中学・高等学校出身の家庭教師

東大家庭教師友の会 | 若山先生

若山先生

  • 女性
  • 東京大学 薬学部
  • フェリス女学院高等学校
  • 中学受験経験あり

自己紹介

家庭教師歴は4年目で、小学4年生から高校3年生まで、幅広い学年の生徒様を8人担当してまいりました。それぞれの生徒様の個性や得意不得意をよく観察し、一人一人にあった指導方法を取ってまいりました。どの生徒様にも共通して言えることは、質問しやすい雰囲気作りを重視していることです。また、自分一人が一方的に話すのではなく、なるべく生徒様が主体的に勉強に取り組むよう工夫しました。具体的な指導内容については、中学受験や定期試験対策、大学受験の経験を活かし、勉強が面白いと思えるような知識やコツを伝えるようにしています。特に大学受験では1浪した際に理系科目の点数を2倍ほど伸ばしました。その一年間で各科目と徹底的に向き合って基礎からやり直したので、苦手科目も得意科目も根本から理解することの重要性を踏まえて授業をしています。

当会からの紹介

明るく人当たりが良く、面倒見の良い教師です。指導経験豊富で責任感も強く、生徒様の個性に合わせた柔軟かつ丁寧な対応を行います。質問しやすい雰囲気作りを大事にしており、楽しいと思える授業、疑問を残さず深い理解を導く授業を目指します。

#東進出身 #英検所持

上記は在籍教師の一例です。他にも様々な経歴の教師が在籍しています。ご希望の条件の教師が在籍しているかは無料でお探しできますので、まずはお気軽にお問合せください。

東大家庭教師友の会をもっと知る

■東大家庭教師友の会の「特徴」を確認する

東大家庭教師友の会の特徴

■コースごとのご料金を確認

東大家庭教師友の会の料金

■実際に在籍している「学生教師」を検索する

家庭教師検索

■当会の「プロ家庭教師」の詳細を確認する

プロ家庭教師コース

■当会の理念を確認

東大家庭教師友の会の理念

お問合せ・体験授業はこちら

お電話でのお問合せ

受付時間
11:00 - 20:00(平日)
11:00 - 16:00(土曜)

体験授業のお申込みや資料請求
各種お問合せはこちらから