1. 公文国際学園中学校とは?

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JR大船駅からバスで8分ほどで公文国際学園のキャンパスが広がります。
学園は「学校」「寮」「公文式」を三本柱と位置付け自立した学生を育成することを方針としています。
学校は難関大学への合格実績が高く、難関国公立や私大に6割以上が進学する年度もあり人気があります。

入試は特徴的で、帰国生入試、2科目型のA方式、4科目型のB方式があります。A方式は国語・算数・英語・数学から2科目を選択して受験できます。選択方法と定員については学校ホームページをご確認ください。

英語を英検2級程度まで取得している生徒様、数学を先取りで学習してきている生徒様には有利に受験ができるようになっています。公文式での学習が入試でも意識されています。

2. 公文国際学園中学校の入試傾向について

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それでは公文国際学園中学校の入試について、具体的にチェックしていきましょう。
各教科では特に2024年度入試でポイントになった問題を厳選して解説します。

①公文国際学園中学校入試の特徴

公文国際学園は入試の科目が特徴的で、数学、英語を学習してきた生徒様が有利になります。公文式では学校も推奨する先取り学習を取り入れているため、小さい頃から数学や英語をやってきた場合公文国際学園中学校が受験しやすいようになっています。

<A入試>
算数・国語 各50分 各100点 定員40名
国語・数学 国語・英語 数学・英語 のいずれか 各50分 各100点 定員70名

<B入試>
算数 50分 100点
国語 50分 100点
理科 40分  75点
社会 40分  75点

※帰国生入試に関しては学校ホームページをご確認ください。
※合格最低点などの情報は学校ホームページで公開されておらず、中学受験偏差値を参考に受験を進めてください。

②算数

※入試傾向はA入試の内容を中心に記載しています。

例年大問5題構成になっています。基本から標準的な問題が中心なので、まずは計算力をつけましょう。まさに公文式をやっているような準備が必要です。

大問1は計算問題です。基本的な小数や分数といった計算を手早く処理できるようにしておきましょう。
大問2は小問集合です。2024年は仕事算、分配算、数の性質や平面図形といった出題があります。特殊算の計算ができるようにしておくこと、面積や角度の計算といった問題をしっかりと準備しましょう。
大問3も小問集合です。大問2よりもすこし難度があがった計算問題です。数列や数の性質、和差算などきっちりと準備をしておきたいところです。
大問4が速さ、大問5が立体図形の問題でした。計算力がしっかりあれば乗り切れる問題です。日々の鍛錬を欠かさず行いましょう。

2024年度特徴的だった問題は大問5の(4)立体の問題でした。記述問題になっており立体の表面積をどのようにして求めるかを記述する問題でした。この問題だけ特に難度が高くなっている印象で解答せずとも合格点までは到達できる問題でした。立体図形が得意であればチャレンジしたいところです。

③国語

例年大問3題構成になっており、論説文、小説文、要約問題が出題されます。
大問1と大問2の文章量は7000〜9000字程度になっています。大問1では選択問題、内容一致、100字以内の語数指定記述などの問題が出題されています。漢字の書き取りなども大問のなかで出題されています。
大問2も選択問題、内容一致、語数指定記述が出題されます。
大問3は要約で空所補充と、語数指定の記述が出題されています。

2024年度特徴的だった問題は大問3でした。公文国際学園中学校の入試の定番となっている要約問題です。文章の序論、本論、結論といった論理構成を捉え、それを指定字数でまとめます。国語の学習のなかでは高度な表現にもなりますがやっておくと力がつく学習です。過去問題なども活用してよく準備をしておきましょう。

④英語

大問5題構成が基本となっています。英語のレベルでいくと英検2級相当になっており、英検受検者や海外経験のある生徒様にとって有利な教科です。
大問1は空所補充問題文法や単語を中心に出題されます。得点しやすい問題を手早く処理することが大切です。
大問2は整序問題です。文構造が理解できていれば十分に解答できる問題です。ここは正解を狙いたいところです。
大問3〜5は読解問題です。長文3題というのが定番になっています。自然科学、社会科学といった内容が扱われており英検2級が高校と卒業程度のレベルを想定した長文の内容になっているのに対して、中学校受験に配慮している出題内容と言えます。

2024年度特徴的だった問題は大問4でした。長文3題のなかではやや難しい内容となっており、記述問題が出題されました。自由英作文なども出題される可能性があります。英語の運用能力を学校は試したいと考えているはずなので、準備では英検2級のライティングの練習、添削などもしっかりと進めておきましょう。

⑤数学

公文国際学園中学校の特色でもある数学入試です。中学までの数学を学習できている場合、算数受験よりも数学受験をした方が定員が多いため有利になっています。大問は5題構成で出題されています。
大問1は計算問題です。小学生内容と中学生内容が混じっており、指数計算などが混じっています。
大問2は小問集合です。数学の内容としては、文字式、平方根、因数分解といた内容になっています。
大問3は連立方程式の問題です。連立方程式は頻出のため過去問題などでしっかり準備しておければ手堅く得点ができます。
大問4は記述の小問集合でした。2次方程式、三平方の定理などを使って解答しましょう。
大問5は2次関数の問題でした。学習内容としては高校の領域まで入ります。

2024年度特徴的だった問題は大問5の2次関数の問題です。高校1年生で学習する内容ですが、中学受験で出題されています。これはまさに学年にこだわらない公文式の学習をしてきている生徒にとってはやりやすい問題になっていたのではないでしょうか。

⑥問題の形式等が似ている学校は?

問題の出題科目が特殊なので、まずは公文式の学習をしてきている方はその学習が土台になります。その上で併願校として考えられる桐蔭学園中学校山手学院中学校などの問題で演習することも良いと思います。数学は中学相当の問題集を、英語は英検2級相当の問題を解いておくことがよいです。

3. 公文国際学園中学校を受験する際の併願パターンは

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受験校を決めるにあたっておすすめなのは「第一志望校の受験日までに合格」をしていることです。どの生徒様にとっても初めての受験。併願校で合格して本命に望むことができるかどうかは大きな安心材料になります。

1月に受験する併願校から2月2日まで徐々にステップアップして受験をすることが個人的にはおすすめです。

①1月受験校

難度を考えると埼玉、千葉の学校は特に受験する必要はありません。2月1日の公文国際学園中学校の本番へ向けて十分な準備をしておきましょう。

②2月1日

<午前>公文国際学園中学校A入試
<午後>桐蔭学園中学校・恵泉女学園中学校・
関東学院中学校

午前は、公文国際学園中学校A入試の本番です。まずはこの日に合格できるよう、十分な準備を進めましょう。
午後の受験ではチャレンジよりも合格を優先できるとよいでしょう。そうなってくると女子校なら恵泉女学園中学校、共学であれば関東学院中学校などが候補として挙げられます。

③2月2日

・神奈川大学附属中学校・湘南白百合中学校・鎌倉女学院中学校

共学であれば神奈川大学附属中学校、女子校であれば、湘南白百合中学校が4科目のため難度が下がります。安全圏であれば鎌倉女学院中学校が候補になってくると思います。

④2月3日

・公文国際学園中学校B入試・山手学院中学校

公文国際学園中学校のB入試の本番です。4科目受験ができるならこの日も受験をして合格の可能性を広げたいところです。2月1日の合格は2月2日にはわかっているので、合格しているなら受験不要です。
他には2科目受験が可能な山手学院中学校などが候補になります。

⑤2月4日

・神奈川大学附属中学校・鎌倉学園中学校・関東学院中学校

難度が上がってくるのが後半の受験です。偏差値的に余裕があるのであれば神奈川大学附属中学校、確実校としては関東学院中学校などが通学圏内であれば候補になってくると思います。

⑥2月5日

・桐蔭学園中学校

難度はすこし上がってしまいますが、共学、環境といったところを考えていくと残されているのは桐蔭学園中学校の受験ということになると思います。

4. 公文国際学園中学校の受験対策方法

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公文国際学園の入試問題はバランスよく準備をしておく必要があります。
まずは基礎の学習を徹底しましょう。基本の土台があって初めて力が生きてくる問題も多いですから、早めの準備とたっぷりと余裕を持った学習、そして勉強だけでなく様々な自然、社会といったものに興味関心を持つことも大切です。
それでは具体的に解説していきます。

①時期別・教科別対策内容

(1)小学4年生

受験勉強は小4から始めましょう。

算数

小4までに算数は特殊算(周期算・植木算・つるかめ算など)の考え方や図形の理解を深めたいところです。

国語

国語は読書量を増やし、説明文読解に触れる機会を増やすことが大切です。

理科  

理科は4分野が満遍なく出題されるため小4生の段階ではまず中学受験教材を使って学習をスタートし、百科事典や図鑑を見て知識を広げておくことをしましょう。

社会

社会は地理、歴史、公民といった分野の出題があるため、地理は地図帳や資料を読み、歴史は歴史まんがなどを活用、公民は新聞やニュースを見るようにしておきましょう。興味関心を日常的に広げるのが大切です。

(2)小学5年生

受験科目の学習スタートです。「算数国語は小5で一通りの学習を終え、理社は図表や地図など知識を深める」ようにしましょう。

算数

算数は小5までで単元ごとの学習を完了しましょう。

国語

国語は記述問題と文法事項の確認を進めましょう。文法の学習が必要なのは問題に文法が出題されるからだけでなく、選択問題を論理的に考えて解くことと、記述問題を正確に書けるようにするため必要です。

理科  

理科は計算が必要な問題、速さ、質量、体積の問題を十分演習しておきましょう。

社会

社会は近現代の統計が揃っている時代の資料を使った問題を解いておき、教科書にも出てくる農産物の生産量、工業製品の出荷額など目を通してください。

 

社会の教科書のグラフ、資料の読み取りの時間を作ることもやっておきましょう。

(3)小学6年生(4月〜6月)

全領域を完成させて総合演習に入る時期です。この時期には入試問題を演習しましょう。自分で対策するというよりも、志望校対策をする中学受験塾に通って、効率よく仕上げ学習をするのがよい時期です。

算数と国語は総合演習です。志望校以外の入試問題で構成された演習問題を解きながら実力養成をしましょう。志望校の入試問題は9月以降にとっておき、入試本番を想定した過去問演習で使うのがよいです。

この時期は時間内に問題を解く、正確にミスなくできるようにする、そして得意分野を作っておく練習をする時期です。復習ノートを作って間違い直しをして、自分の弱点分野にあたる学習を復習しておきましょう。

理科社会も分野別の学習から分野を横断した入試問題形式の学習を進めましょう。この段階で知識不足がないように、小4、小5の学習を進めておきたいところです。

(4)小学6年生(7月〜8月)

まとめの時期です。基礎、標準レベルの問題で失点しないことが中学受験では重要なため、夏期講習などを通して徹底して基礎力を固めましょう。そして勝負を分けるのが難度の高い問題です。

理社はここがまとまった弱点補強の機会です。分野別に復習をしていくこと、資料を読み解いて知識を深めることなどやりたいことはたくさんありますが、優先準備を決めて取り組みましょう。

塾では志望校別のテキストを使って対策をする時期です。この時期は成果重視で学習塾などの環境も上手く使うべきです。また、ともに同じ志望校を目指して学習する同級生がどの程度のレベル、到達度なのかを比べ合うことも重要な経験です。

(5)小学6年生(9月~11月)

志望校の過去問題の演習時期です。第一志望校と併願校の過去問題を演習し本番力をつけていきます。試験慣れをして、最後まで集中しきって解答できるように、この時期にリズムをとって進めていきます。最低でも過去問題は10年分。一度ではなく二度三度と解きなおしをします。

この時期の学習のポイントは「本番力の養成」です。入試本番の試験時間、試験問題を意識した学習を進めて本番で得点できる力をつけます。

詳しくは「過去問題対策方法」に記載していますのでそちらもご覧ください。

(6)小学6年生(12月~1月)

入試本番へ向けての最終調整の時期です。この時期には志望校、併願校、入試スケジュールなどはほぼ決まっていますので、試験日から逆算して過去問題の演習と弱点補強、日々のルーティンとしての問題演習などを進め、万全の状態で本番を迎える準備をする時期です。

規則正しい生活リズムを意識して、健康的な生活を意識しましょう。受験のことを考えると集中力のピークを午前中に持っていけるようにしましょう。

②公文国際学園中学校の過去問対策方法

(1)過去問の効果的な使い方

公文国際学園中学校のような特徴のある入試科目の学校は次のように進めるのがおすすめです。

  1. 入試本番と同じ時間、時間割で問題を4教科解く
  2. 自己採点をして解説をよく読む
  3. 該当分野の問題演習を進める
  4. 間違えた問題は再度チャレンジする

この4つです。

(2)いつから解き始めればよいか

標準的な開始時期は小6の9月です。
過去問題の対策は、4教科の学習と演習が終了した後に実施しましょう。受験勉強のなかで、過去問題を使った学習は本番の次に重要と言ってもいいくらいの大切な学習です。

雰囲気を味わいたいので大問1つだけ昨年度の問題をやってみるといったことは避けて丸々1年分解くことがおすすめです。

(3)何年分を何周解けばよいか

4教科で10年分は解いておきましょう。時間に余裕があれば15年分解いても良いと思います。
ただし、1度解いて終わりではなく、解き直しと再チャレンジを含めても同じ年度を最低3周は解いておきたいところです。

入試の過去問題はどの問題が出題されても、バッチリできるようにしておくのがベストです。

算数

算数は特に勝負を分ける科目です。最低10年分を3周は必ず、問題の独自性を考えるとさらに追加して過去問題の演習はしておきたいところです。
時間配分や問題の解き慣れにもなるように、たっぷり時間をかけて準備を進めてください。

国語

国語は10年分を3周必ずしておきましょう。そして記述問題の根拠を時間内に見つけ、文構造を組み立てて解答する練習をしっかりしておきましょう。

理社  

理社についてはまずは10年分。復習は2周分でも足りるかもしれませんが、分野ごとの演習として遡って問題を解いておくのはありです。ただ、問題を解く前に単元別の復習をよくしておくべきなので、得点と時間をよく考え、相談しながら決めましょう。

③保護者様にできるサポート内容

(1)生徒様のモチベーションを高める

受験へ向けて最も成績を左右するのは生徒様のモチベーションです。高いモチベーションを維持するには身近にいる保護者様がよいパートナーになっていることが望ましいです。生徒様は怒ったり、叱られるということよりも「信頼され期待される」ことのほうを望んでいます。

特に学習ではテストの点数などで落ち込んだり、フラストレーションがたまることがあります。その時によく話を聞いて、優しいアドバイスや前向きな言葉がけをしていただくだけで生徒様はまた頑張ろうと思って行動に移せます。

特に親子の関係では、「生徒様の意見をよく聴く」ことを意識してください。

(2)スケジュールの管理、ペース配分などのサポート

小学生が苦手なところとしてどの生徒様もあるのがスケジュール管理です。中学受験をする小学生はある意味アスリートと同じような状態にありますので、マネジメントを保護者様がすると学習に集中できるようになります。

いつまでに何を終わらせるか?といったことも生徒様だけに任せてパンクしてしまうよりも、ご家庭でオープンにして「いつまでに何をやる」という目標を立てたり、「うまくいかなかった場合にどうリカバリーするか」などを管理していただけると生徒様も安心して学習に集中できるようになります。

(3)学習環境の構築

学習環境は中学受験ではとても重要なポイントです。ここでの学習環境は勉強部屋のような施設・設備だけではなく、使う教材や通う塾のことも示しています。

多くの方は中学受験塾に通塾されて準備すると思いますが、教材や塾選びも大切です。どのくらい生徒様の面倒をみてくれるか、相性はどうか?といったところまで生徒様にすべて考えさせることは難しいですから、保護者様が万全の状態で受験の準備ができるように、整えていくことが大切です。

まとめ

難関大学に合格実績があり、自由な校風で人気の公文国際学園中学校。
特徴のある入試ですが、必要な準備をすれば合格は近づけられます。

第一志望校であればA入試もB入試も活用して憧れの中学校へ通えるように、しっかりと準備をしていきましょう。
応援しています!

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