途中でやる気をなくしてしまう中学受験生は意外と多い
一般的に、中学受験を目指す受験生の約20〜30%が途中でやる気をなくしてしまうと言われています。
しかし、私が実際に指導してきた経験から言えば、中学受験を目指す生徒様のうちの大部分が遅かれ早かれモチベーションの低下を経験しています。やる気がなくなる時期があるのはごく普通のことです。そのため、やる気が出ないときがあるからと言って焦る必要はありませんが、この時にどのように対応するかが重要になります。
対応において大切なのはやる気がなくなった生徒様の気持ちに寄り添う姿勢と、その時々の状況に合わせて適切な対応を取ることです。
生徒様の様子に不安を感じることもあるかもしれませんが、保護者様のサポート次第で生徒様の中学受験に向けた意欲をもう一度呼び戻すこともできます。ぜひ落ち着いてじっくりと生徒様と今の気持ちや状況について話し合ってみてください。
中学受験生のやる気が出ない理由3選
中学受験生がやる気をなくしてしまう理由には、いくつかの代表的なパターンがあります。やる気が出ない理由がわかれば、保護者様としても生徒様の気持ちの寄り添いやすくなるでしょう。ここからは、特によくある理由3つを厳選して解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。
① 明確な目標がない
生徒様がやる気をなくしてしまう代表的な理由として、明確な目標が定まっていないことが挙げられます。この明確な目標とは、単に数値が含まれたり時期がはっきりしているということではなく、本人が実現可能だと思えていることがポイントです。
頑張れば達成できそうな目標であれば、自分の意志でやりたいと思うことができ、意欲的に学習を進めることができるようになります。
逆に、目標が明確でなければ日々の勉強を続けていても達成感を得る機会が少なくなり、結果としてモチベーションが下がる要因になる可能性が高いです。
生徒様と一緒に適切な目標を設定し、日々の学習が目標に一歩ずつ近づいているという実感が持てるようにサポートしてあげてください。
② 勉強の楽しさを見い出せてない
二つの目の理由として、生徒様が勉強の楽しさを見つけられていないということが考えられます。できないこと・わからないことばかりでは勉強は楽しくありません。成功体験を積むことで自信が生まれて、次の挑戦へのモチベーションが高まってくるものです。逆に成功体験が少ないと、「自分は努力しても無駄なんだ…」と感じてしまい、勉強に対する意欲が低下することがあります。
また、学ぶ楽しさを見い出せていない生徒様は学習自体を苦痛と感じてしまうことが多く、勉強嫌いになってしまうケースもあります。
小さな「できた!」を積み重ね、勉強の楽しさを発見できるよう、ぜひサポートしてあげてください!
③ 過度なプレッシャー・ストレス
生徒様が勉強に対して過度なプレッシャーやストレスを感じることで、モチベーションが下がることがあります。
保護者様や周りからの期待が知らず知らずのうちに強いプレッシャーになってしまうことは珍しくありません。「もし期待に応えられなかったらどうしよう…」といった不安を抱いてしまうと学習に前向きに取り組むのが難しくなる原因になることもあります。
また、集団塾などの競争が生まれやすい環境にいる生徒様は、周囲との比較を意識しすぎてストレスを強く感じてしまうことがあるので注意が必要です。
期待や競争心は適度なものであれば効果的ですが、過剰になると生徒様にとってマイナスに働いてしまいます。時にはしっかりリラックスできる時間を設けるなどのサポートが大切です。
また、日頃からコミュニケーションをよく取り様子を見ておくことも大切です。早めにプレッシャーやストレスに気づくことができれば、生徒様がネガティブになる前に支えることができます。ぜひ保護者様から「無理しすぎていない?」などの声掛けを定期的に行うように心がけてみてください。
中学受験を辞めるか、続けるかの判断基準
生徒様の受験に対してやる気のない様子が続けば、中学受験を続けるべきか迷うこともあるでしょう。とはいえ、せっかく受験まで頑張ってきたのに簡単にやめると判断するのは難しいものですよね。
ここからは、中学受験を続けるべきかどうかを見定めるための判断基準について紹介します。困ったときはぜひ参考にしてみてください。
本人の受験への意欲
中学受験を続けるかどうかの判断において最も重要な要素になるのが、生徒様自身の受験に対する気持ちです。
受験は長い期間をかけた「自分との戦い」となるため、モチベーションの波は誰にでもあるものです。よほど本人の強い合格への意欲がない限り、常にやる気に満ちた状態を維持し続けるのは難しいでしょう。
ここまで頑張ってきた本人の努力を認めながら、生徒様が中学受験に対して今どれだけの意思を持っているのかを改めて確認してみてください。これからも中学受験を目指したいという気持ちがあるかを落ち着いて見極めることが重要です。
生徒様の希望や意志を尊重しながら、続けるべきかどうかを慎重に判断してみてください。
心身への負担
生徒様の心身の健康は何においても尊重するべきことです。そのためにも、入試当日までの間、生徒様が抱えるストレスや体調の変化を見逃さないように気を付けましょう。
受験勉強の負荷が大きすぎると、精神的な疲労から生活習慣の乱れや体調不良を引き起こすことがあります。結果的にモチベーションの低下につながるので注意が必要です。
生徒様が無理なく勉強に取り組めているかどうかを定期的に確認し、適度に休息や気分転換の時間を取り入れるようにしましょう。程よくリラックスできる環境を整え、生徒様の気持ちを尊重する姿勢を見せることで学習意欲が回復することもあります。
一方で、無理をしすぎて受験が原因で心や体を壊してしまっては本末転倒です。生徒様の様子を見て深刻な状態であれば、受験を辞める決断も必要になるでしょう。
心身への負荷がやる気が出ない原因の場合には、工夫次第で回復できるレベルなのか、限界まで来ているのかをしっかりと見極めることが大切です。
成績や学力の伸び具合
中学受験を続けるかどうかの判断において、生徒様の成績や学力の伸び具合も重要なポイントです。
努力を重ねてもなかなか結果に結びつかなければ、生徒様のやる気が上がらず受験自体を辞めようかと考えるのも無理はありません。
しかし、それはあくまで結果が表面化されていないだけというケースもあるので慎重に確認することが大切です。
例えば、基礎学習を中心に取り組んでいるから模試のような応用問題では正答できないということもあります。この場合、成果は出ていませんが実力は着実についていることも十分に考えられます。短期間で成果を求めすぎず、長期的な視点で成長を見守る姿勢が大切です。
定期的な模試や塾での成績を細かく分析し、成績の推移を冷静に見て判断するようにしましょう。辞める選択肢だけでなく、学習計画の見直しや志望校を再考することで合格を勝ち取ることもできるので急がずじっくり現状を確認してみてください。
【学年別】中学受験生のやる気を引き出す方法
生徒様のやる気を引き出すためのアプローチは様々です。ここでは、学年ごとの成長や興味に合わせたやる気の引き出し方を紹介していきます。
それぞれの発達段階に応じた工夫次第で、学習意欲を高めて前向きに受験勉強に臨めるようになります。やる気の上げ方で悩んでいる保護者様はぜひ参考にしてみてくださいね。
小学校3年生
小学校3年生は、まだ受験勉強を始めたばかりの時期です。集中して長期的に勉強することにまだ慣れていないので、なかなかやる気が続かないということも多くあります。
そんな小学校3年生の生徒様には、勉強に楽しく取り組み学習習慣がつけられるようにアプローチするのがおすすめです。例えば、保護者様も一緒になってタイムアタックで問題に取り組んだり、クイズ形式で問題を出し合ったりすると前向きに取り組みやすくなります。ゲーム感覚で自主的に取り組めるように工夫すると効果的です。
また、興味のあるテーマを中心に学習に取り組むことで、勉強と探求心を結びつけることが期待できます。学びたいという意欲を育めるので生徒様が自主的に勉強に取り組めるようになります。
学習習慣を身につけることが大切な学年なので、ぜひ楽しみながら学べる環境を整えてみてください。
小学校4年生
小学校4年生になると受験生として本格的な内容での学習がスタートします。学校の授業と比べると難易度が高くなるため、受験勉強へのやる気がなくなってしまうことも珍しくありません。
なかなか学習の成果が出ないときには、生徒様が達成できそうな小さな目標を設定してあげるのが効果的です。目標を達成する喜びを経験することで、学習への意欲を引き出すことができます。
いきなり一人で適切な目標設定をするのは難しいので、ぜひ保護者様も一緒になって考えてみてください。
また、達成までの過程での声掛けなどのサポートも重要です。達成した時にはしっかり褒めることも忘れないようにしましょう。目標設定から達成までの経験を繰り返すことで、自分でモチベーションを保ちながら学習管理ができるようになってきます。
小学校5年生
小学校5年生は、受験勉強を始めてからしばらく時間が経ち、学習の目的が曖昧になりやすい時期です。最初のうちは志望校合格への意気込みが強くモチベーションが高くても、長い期間が経てば徐々に薄れてしまうことがあります。改めて、目標としている志望校を意識させることで学習への意欲を引き出せます。志望校の文化祭や説明会などには積極的に参加し、入学後のことをイメージできるようにサポートしてあげると良いでしょう。
学習内容が段々と難しくなり勉強にかける時間が増える時期ではありますが、ぜひリフレッシュの意味も込めて親子一緒に志望校に出向いてみてください。良い気分転換になり、やっぱり○○中学校に行きたい!という気持ちを高めることが期待できますよ。
小学校6年生
いよいよ受験が近づき、徐々に焦りが出てくるのが小学校6年生の中学受験生の特徴です。模試の結果が思うように上がらなかったり、周りと比較して気持ちが落ち込んでしまうことが多い学年です。最もナイーブな時期と言えるので、メンタル面でのサポートが何よりも重要となります。
うまく成果が出ていなくても、勉強してきたことは必ず身になっています。模試の志望校判定などでは表れていないこれまでの学習成果を見える化して、努力の成果を実感させるのが効果的です。例えば単元ごとの小テストの結果や、過去の模試結果との比較などがわかりやすいでしょう。
また、メンタルの不安定さが目立つような様子があれば、一日勉強から離れて好きなことに打ち込むなど思いっきりリフレッシュするのもおすすめの方法です。気持ちを切り替えて、また頑張ろうと思えるようになりますよ。
【全中学受験生共通】やる気を引き出す王道アプローチ
ここからは全てのやる気が出ない受験生に共通して効果があるアプローチ方法を2つ紹介していきます。具体的な方法まで詳しく紹介していきますので、ぜひ試してみてください。
明確な目標設定を行う
やる気を引き出すために重要なことの一つ目は「目標設定」です。誰でも「何のためにやっているのか」が自分の中ではっきりしていなければモチベーションは続きません。ぜひ生徒様の中学受験の目標を一緒に話し合い、言葉にしてみてください。
この時に、目標を「長期的な目標」「中期的な目標」「短期的な目標」に分けて考えていくのがおすすめです。
例えば「〇〇中学校に合格する」が長期的な目標だった場合、「8月までに総合問題で8割以上取れるようにする」など具体的な内容を短期目標として設定します。
得点に限らず「今週は計算問題のケアレスミスを0にする」など具体的であれば日々の学習での目標でも構いません。大切なのは「達成できる明確な目標」を設定することです。
また、達成するまでの過程で進捗の確認や声かけも重要です。さらに、目標を無事に達成できたら、保護者様から具体的に褒め言葉をかけてあげると生徒様のさらなる自信とやる気につながります。ぜひ達成するまで丁寧にサポートしてあげてください。
ポジティブなコミュニケーションを取る
生徒様がやる気を失っているときは、いつも以上にポジティブなコミュニケーションを心がけましょう。
やる気がない生徒様に対して「なんでもっとちゃんとやらないの!」「このままじゃ合格できないよ!」など、否定的な言葉はかけてしまうのは逆効果です。鼓舞するつもりでの声掛けだとしても、やる気をなくしてしまうことがあります。
ぜひ、あえて「この間のテスト、すごくよくできていたね!」「塾の先生がほめてたよ!」などのポジティブな声掛けをしてみてください。生徒様の努力をほめる言葉をかけることで自己肯定感が高まり「もっと頑張ってみようかな」というやる気を引き出すことにつながります。
また、ポジティブなコミュニケーションを通して、生徒様は保護者様に理解してもらえているという安心感を得られます。勉強に対してやる気が出ない素直な気持ちも聞き出しやすくなるでしょう。状況を前進させる効果が期待できるので、ぜひやってみてください。
やる気のない中学受験生に取ってはいけない保護者の対応
やる気が見えない生徒様への保護者様の対応は非常に難しいものです。
適切なサポートをしてあげたいと思っていても、ついつい逆効果になる言動を取ってしまうということも少なくありません。
ここからは、保護者様のNG行動の代表例を3つ紹介します。
感情的に叱る
生徒様がやる気を失っているとき、「そんなに勉強したくないなら受験やめれば?」「もう勉強しなくていい!」など、感情的になって叱るのはかえってモチベーションを下げてしまうことになり逆効果です。
生徒様からすれば「わたしなりに頑張っているのに」「どうせ理解してもらえない」と、マイナスな感情を持ってしまう可能性が高いでしょう。
ぜひ一度苛立つ気持ちをこらえて、生徒様の気持ちに理解を示す姿勢を見せるように心がけてみてください。自分のことをわかってもらえていると感じれば、生徒様も保護者様に素直な気持ちを伝えやすくなります。良好な関係が築ければ、生徒様の背中をしっかりと押すことができますよ。
他人と比較する
競争心からモチベーションを高めようという狙いがあったとしても、他の受験生との比較するような表現は言動はNGです。やる気が下がっている時は、何かしらの理由で勉強に対して自信がなくなっているケースが多々あります。
そのような状況で「〇〇さんはこの間の模試でA判定だったんだって」や「朝早く起きて勉強してるんだって」など、他の受験生と比較してしまうと生徒様の自己肯定感が下がり、さらにやる気をなくす可能性が高いです。
特にネガティブな感情になっている時は他人と比較するような声掛けは避けるようにしましょう。
そのまま放っておく
生徒様がやる気をなくしている時に、声をかけることなく気付いていないかのように放置するのは避けましょう。
本人の自主性を重んじての行動だとしても、保護者様の無関心に見える態度は生徒様にとって不安の原因になります。「自分の気持ちはわかってもらえない」「自分に対して興味がない」と捉えてしまいかねません。
生徒様にとって保護者様は一番理解してもらいたいと思う特別な相手です。「どんな時でも味方でいるよ」という姿勢を見せ続けてあげることで、生徒様のメンタルは安定します。受験生のモチベーションとメンタルは密接に関わっているので、気持ちを安定させることはとても重要なポイントです。ぜひ「最近どう?大変?」などフランクな声掛けでもよいので保護者様の方からコミュニケーションを取るようにしてみてください。
塾や家庭教師など中学受験のプロに頼るのもおすすめ
家庭内だけでの受検に挑むのが難しいと感じている場合、塾や家庭教師を利用するのがおすすめです。受験のプロと連携を取ることは、生徒様にとっても保護者様にとっても大きなメリットがあります。
具体的なメリットについて紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
効率的な学習プランの作成
塾や家庭教師では、生徒様一人ひとりに合った学習計画を多くの受験生を指導してきた経験を基にして設計してくれます。
保護者様が悩みがちな受験までの学習の進め方やペース配分も、専門家に任せられるようになります。
生徒様の学力に合わせた最適な計画が立てられることで、効率的に学習を進められるのは大きなメリットの一つです。
モチベーションアップ
家庭以外の環境での学習は、生徒様に家庭だけでは得られない新たな刺激を与えることになり、やる気を引き出すきっかけになります。やる気が低下している時にも中学受験のプロが豊富な指導経験を基にして適切なタイミングで効果的な声掛けをしてくれるので安心です。
また、生徒様にとって身近な存在である保護者様よりも、第三者による声掛けの方がすんなりと受け入れやすい傾向にあります。塾や家庭教師の利用は生徒様のモチベーションの維持・向上の面でも期待できると言えるでしょう。
家庭の負担を大幅軽減
家庭だけで受験対策を行うのは、保護者様にも大きな負担がかかります。勉強面のサポートから志望校選定、中学受験に関する情報収集など、保護者様のやるべきことは盛りだくさんです。
塾や家庭教師と連携することによって、保護者様が担っていることの大部分を任せることができます。家庭での負担を大幅に軽減させることができるので、家庭でしかできない生徒様の気持ちに寄り添ったサポートに集中できるのはとても大きなメリットです。負担が大きいと感じる場合には、無理をしすぎずにプロに頼るのもおすすめです。
まとめ:中学受験生のやる気は周りのサポート次第で引き出せる
やる気を失ってしまうというのは、大部分の中学受験生が長い受験期間の中で一度は経験することです。見守る保護者様は生徒様の様子に不安を感じることもあるかと思いますが、気持ちをぐっとこらえて生徒様の思いに寄り添うよう心掛けてみましょう。
また、中学受験は保護者も生徒様と同じくらい負担がかかります。中学受験について悩むことがあれば、塾や家庭教師などプロとの連携を取るのも生徒様にとって効果的なサポート方法の一つです。生徒様の頑張りが実るよう、ぜひ充実したサポート体制を整えられるように行動してみてください。
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