1. 中学受験の過去問、一般的にはいつから始める?
中学受験の過去問は、小学6年生の9月に解き始めるのが一般的です。
志望校のレベルに応じて、過去問を解き始めるおすすめのタイミングは以下の通りです。
第1志望校 | 9月 |
チャレンジ校 | 9月 |
実力相応校 | 11月 |
安全校 | 11月 |
腕試し校 | 11月 |
9月に第1志望校やチャレンジ校の過去問を解いた結果、実力が不足していると感じた場合、11月までに志望校の見直しや安全校へのシフトを検討する必要があります。
1月受験の腕試し校についても、11月までに取り組むことをおすすめします。
2. なぜ小6の9月からが良いとされるのか?
小学6年生の9月から過去問を始めることが良いとされる理由は、次の4点です。
理由①基礎学力が固まる時期
小学6年生の9月は、夏期講習が終わり、勉強の基礎固めが完了する時期です。
夏休み明けは気が緩みやすい時期でもありますが、過去問に取り組むことで学習へのモチベーションを保つことができます。
基礎学習が早めに終わっている場合は、夏休み中に過去問を始めても問題ありません。
基礎に不安がある場合は、無理に9月から始める必要はなく、10月や11月にずらすことも検討しましょう。
理由②受験本番までに実力を伸ばせる
9月から過去問を始めると、受験本番までの約4か月間で、問題量や時間配分に慣れることができます。繰り返し解くことで、志望校の合格ラインに近づくことが可能です。
受験本番では100点満点を取る必要はありません。合格最低点を超えていれば志望校を最終決定できます。
また、9月から第1志望校やチャレンジ校の難易度の高い過去問に取り組むことで、11月以降に実力相応校や安全校の過去問を解く際、確実に解ける問題が増えていることを実感できます。
12月以降は、これまでの学習の総仕上げや本番を想定した演習に集中できるでしょう。
理由③各学校の出題傾向を把握できる
9月から過去問に取り組むことで、特定の単元や出題形式に特化した対策を進めやすくなり、効率的な学習が可能になります。
各校の出題傾向を見て、その時点で受験を検討している学校の出題傾向が大きく異なる場合は、ここで受験校を再検討することもできます。
志望度が低く、志望度が高い学校とは出題傾向も大きく異なる学校は受験校から外し、志望校と出題傾向が近い学校に切り替えるなども重要な受験戦略です。
理由④受験のシミュレーションができる
時間制限があると、緊張感から、生徒様が焦ってしまったり注意散漫になったりすることがあります。落ち着いてやれば解ける問題が解けなくなったり、普段ならおこらないようなケアレスミスが増えて、実力通りの点数がとれない場合もあります。
過去問に繰り返し取り組むことで、生徒様ご自身が自分の異変に気づき、深呼吸したり、自分は大丈夫だと言い聞かせたりするなど、受験本番までにメンタルを整える練習ができると良いですね。
3. 過去問演習の具体的なスケジュール例
ここでは、過去問演習を進める際の具体的なスケジュール例を紹介します。生徒様の状況に合わせて、無理のない計画を立てる参考にしてください。
時期 | 目的 |
具体的な取り組み内容 |
小6/9月 | 過去問演習のスタート |
・志望校の過去問を1年分解く |
小6/10月 | 出題傾向の把握と課題発見 | ・志望校の過去問をさらに2~3年分解く ・間違えた問題を分類し、苦手分野を把握 ・出題傾向に合わせた問題演習 |
小6/11月 | 弱点克服と実戦演習 |
・残りの過去問(志望校5~6年分)を解く |
小6/12月 | 志望校対策の最終調整 | ・他校の類似問題も取り入れて演習 ・ 苦手分野に特化した短期集中復習 ・模試を活用して実力を確認 |
受験直前 | 最終確認 | ・過去問演習の総復習 ・苦手な箇所を再チェック |
4. 過去問を購入するタイミングと注意点
中学受験の過去問は、小学6年生の7〜8月頃に購入するのがおすすめです。9月から本格的な過去問学習を始めるため、その前に購入しておくと計画的に学習準備を進められます。
まずは、志望校の過去問と同レベルの併願校の過去問を購入すると良いでしょう。
学校によって過去問の掲載年数は異なり、5年分・10年分などさまざまです。
試験日が2月1日と2月2日など複数ある場合は、それぞれの試験日ごとの過去問が収録されています。問題用紙・解答用紙を見て、出題内容が似ているか予想しておくと良いですね。
学校によっては、学校説明会や入試説明会で過去問を無料配布したり、割引販売していることもあります。本番同様の冊子形式で過去問を解くチャンスなので、入手できた場合はぜひ活用しましょう。
志望順位が高い学校は、少し古い過去問まで入手し、試験対策を強化するとよいでしょう。
古い過去問はメルカリやブックオフなどで安く売られていることもあります。過去問を中古で購入する際は、解答用紙が未記入か事前に確認しておきましょう。
志望校がまだ決まっていない場合や、基礎固めに不安が残る場合は、購入時期を少し遅らせても問題ありません。ただし、購入が遅すぎると過去問対策が間に合わなくなるため注意が必要です。一方で、過去問を早く購入しすぎると、生徒様にプレッシャーを与える可能性もあるので、タイミングには配慮しましょう。
▼過去問のやり方や、効果的な活用法について、詳しくは以下の記事をご覧ください
5. 過去問の開始時期が早すぎる場合、遅すぎる場合のデメリット
中学受験の過去問演習は、開始時期が早すぎても遅すぎても悪影響を及ぼします。ここでは、それぞれのデメリットと対策について詳しく解説します。
①早すぎる場合
(1)解けない問題が多く、自信を失う可能性がある
小学4〜5年生では中学受験に必要な範囲の授業がまだ終わっておらず、解けない問題が多いかもしれません。解けない問題が続いてしまうと、生徒様が自信を失い、学習意欲が低下する可能性があります。
早すぎる時期に生徒様が過去問に取り組みたがっている場合は、基礎固めが重要であることを、具体例を用いて伝えましょう。
例えば、
「サッカーのルールを覚える途中で試合に出場するのは難しいよね」
「包丁の持ち方を習っていないのに野菜を切るのは危険だよね」
といった説明をすると、生徒様も納得しやすくなります。
(2)学習内容が偏り、思考力や応用力が伸びない
早い段階で過去問に取り組むと、十分な基礎力がないまま特定の問題形式に集中してしまい、学習内容が偏ったり、思考力や応用力が十分に伸びなくなる可能性があります。
過去問をまるまる解くのではなく、1問だけ試しに読ませてみるのも一つの方法です。
例えば、算数なら分数や小数を使った計算問題、国語なら難しい漢字の問題を見せて、生徒様が過去問の難易度を認識できると良いですね。
(3)受験へのプレッシャーが長期化し、ストレスを感じやすい
過去問を早い段階で始めると、受験のプレッシャーを長期間感じ続けることになり、精神的な負担が大きくなります。生徒様にとってストレスの原因となる可能性があるため、適切な開始タイミングを選ぶことが大切です。
②遅すぎる場合
(1)苦手分野を克服する十分な時間が取れない
受験直前に過去問を始めると、苦手分野を補うための時間が足りなくなり、対策が不十分なまま本番を迎えてしまう可能性があります。苦手な単元が見つかった場合、復習を通して得点アップを図る時間が必要です。復習する時間が足りないと、志望校を変更しなければならない状況になることも考えられます。
(2)学校特有の出題形式や時間配分に慣れる時間が不足する
過去問を解く年数が少なく学校特有の解答形式に慣れていないと、試験本番で不安を感じたり焦ってしまうことがあります。集中力が散漫になりやすく、本番での自信につながりません。
過去問演習のメリットとして、「本番にどんな問題が出るか予想できる」ことや、「時間配分を感覚的に身につけられる」点を伝えると、生徒様が過去問演習の重要性を理解しやすくなります。
過去問演習は、自分の弱みだけでなく強みを見つけるチャンスでもあります。親子で過去問対策の重要性を理解し、小学6年生の9月~1月にかけてしっかりと演習の時間を確保できると良いですね。
まとめ:東大卒元家庭教師から過去問対策のアドバイス
各校が出題する問題は、その学校からのメッセージでもあります。「うちの学校には、こういう生徒に入学してほしい」各校の先生方は、そんな思いを込めながら作問をされていることでしょう。
その意味で、保護者様は生徒様本人が解くより前に、受験校を検討するタイミングで過去問を見て、学校がどのような力を重視しているのか確認しておくのもよいでしょう。
受験校を検討する段階では、問題を見ると「うちの子こんな問題解けるかな…」と不安になるかもしれませんが、大丈夫です。基礎をしっかりと固め、着実に目標に近づいていけるよう、生徒さんの後押しをしてあげてください。
実際に過去問に取り組むとなったら、一般的な流れは本記事でご説明した通りです。ただ、実際には理想通りには進まないことのほうが多いです。塾の先生や家庭教師などに相談しながら、進めていかれると良いでしょう。
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