1. 中学英語が苦手な原因とは?
中学英語の成績が伸びないのは、勉強法だけでなく英語への苦手意識が影響していることも。ここでは、英語が「できない・わからない・嫌い」になってしまう原因をわかりやすく解説します。
①英語特有の概念が難しい
小学校の英語に慣れ親しむための学習とは異なり、中学校からは本格的に文法や単語、長文読解が始まります。
語順(主語・動詞など)、時制(現在完了など)、三単現など、日本語にない英語独自のルールに戸惑う生徒様も多くいます。
②4技能を身につけることが難しい
英語は、リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの4技能が必要です。暗記だけでは通用せず、実践的な力が求められるため、他の科目と比べて学習の比重が大きく、苦手に感じる生徒様が多いです。
③暗記事項が多い
中学英語では1200語以上の単語、文法、熟語、前置詞などを覚える必要があります。覚える量が多いため、すぐに成果が出づらく、挫折しやすいです。
④勘で解いてしまいがちである
文法や読解問題をなんとなく解いていませんか?感覚任せでは応用力がつきません。一語ずつ丁寧に理解し、「なぜその答えになるのか」を論理的に考える力が大切です。
2. 中学英語が苦手な人向け勉強法
中学英語が苦手でも、正しい方法で勉強すれば確実に成績を伸ばすことができます。
まずは基礎編として単語、文法、和訳・英訳の勉強法を紹介した上で、応用編として英作文、長文読解、スピーキング、リスニングのおすすめ勉強法を紹介します。
【基礎編】
①単語
(1)単語の覚え方
単語は市販の単語帳を買いましょう。発音・意味・スペルを確認しながら音読・書き取りを行い、何度も繰り返して覚えていきます。この時、一度にすべてを覚えようとせず、毎日コツコツ取り組むこと、そして数週間・数か月おきに復習することが重要です。
全ての単語について、2秒で日本語の意味や英単語が答えることができる状態を目指しましょう。
(2)単語を覚える際のコツ
英単語暗記のコツは2つあります。
1つ目は、学習した単語を用いて例文を自分で作ることです。単語を効果的に覚えられ、英作文の練習にもなるからです。
2つ目は、よく使われるフレーズや前置詞もセットにし、チャンク(意味の塊)で覚えることです。例えば、「薬を飲む」の英訳は何でしょうか。「eat medicine」や「drink medicine」ではなく、正解は「take medicine」です。
このように、単語単体ではなく、よく使うフレーズや前置詞を含めた塊として覚えましょう。
②文法
文法は図や表でイメージ化しながら理解を深めましょう。
時制の他にも、現在分詞とto不定詞の違い、助動詞の違い、関係代名詞の違いも特に間違えやすいポイントです。
論理的に理解をした後は、例文をノートにまとめ、音読しながら覚えるのが効果的です。わからなくなったら基本に戻ることが大事です。
③和訳・英訳
副詞や時制まで細かい要素を一つ残らず訳し、「自分が理解できていることをアピール」できるような丁寧な訳をしましょう。
英訳では、自分の知っている表現を使えるように、問題文自体を工夫して書き換える力も大切です。
【応用編】
①英作文
意識するべき点は、以下の二点です。
・正確だと自信がある表現のみを使う
|
スペルミスを避けるため、自分が自信をもって使える表現のみを使いましょう。
また、典型的な型を覚えることも有効です。
自分の考えを述べる時は、「I think that ○○ for X reasons. First, ~. Second, ~. ……」など、テンプレートを活用すると論理的に書くことができます。
英作文は自己採点が難しいので、先生などに頼んで採点してもらいましょう。
②長文読解
まず、すべての設問をざっと把握し、該当する問題文の傍線付近に、何について読み取ればいいのか軽くメモをとります。その後本文を通読し、結論や定義などの重要な部分に線を引いて要点をつかんでいきます。傍線部分まで達したら、文法、単語、文構造、問われていることを意識しつつ、周辺を精読します。
解き終えた後は必ず一文一文を日本語訳と照らし合わせながら、精読を行いましょう。また、わからなかった単語や文法は適宜復習をします。
最後に音読をしながら、理解度を再度確認すると読解力が高まります。
③スピーキング
イントネーションやアクセント、表情を真似しながら、音読練習を繰り返し話す練習をしましょう。AIやオンラインサービスの活用もおすすめです。
④リスニング
ラジオやインターネット上の動画で、毎日英語を聞き、英語特有の抑揚や強弱、子音と母音の重なりなどに慣れるようにしましょう。この際、場面や内容をイメージしながら聞くことがポイントです。
また、リスニング問題を解くときは、設問を事前にチェックして何を聞くべきか意識しましょう。
特に、正誤判定問題では音声で流れた単語を言い換えたものが正解となったり、選択肢すべてに、音声に登場した単語が含まれたりする場合もあります。聞こえてきた単語を含む選択肢が答えだとは限らないことに注意しましょう。
3. 中学英語が苦手な人向け定期テスト&模試対策
①定期テスト&模試対策
(1)定期テスト編
まずはテスト範囲の英単語を完璧にしましょう。
次に、授業で扱った文章を読み直し、読解ポイントや単語、文構造を把握し、暗記するレベルで音読しましょう。
授業で扱った文章は設問先読みし、必要なときだけ本文に戻ると時間をかなり節約できます。
(2)模試編
基本的には定期テストと同様、単語や文法などの知識問題で確実に得点できるようにしましょう。
ただし、模試ならではの注意点が2つあります。
1つ目は出題範囲がとても広いことです。
模試は「これまで習ったすべて」が対象になるため、過去の学習内容もしっかり復習して、抜けがないようにしましょう。
2つ目は長文読解とリスニングが多いことです。
模試は初見の文章や音声が中心なので、読む速さ・聞く力が問われます。普段から読む・聞く練習を積み、模試直前に演習で総仕上げしましょう。
②テスト後の復習法
解答が渡されたその日のうちに復習を行い、音読しましょう。
その後、自分の苦手分野を分析して弱点を補強しましょう。
英語は総合力が大切なので、バランスよくすべての力を伸ばせるような地道な学習が大切です。
4. 保護者様にできる中学英語の勉強サポート方法
最後に、実際に保護者様はどのように生徒様の中学英語の勉強のサポートを行えばいいのかご紹介します。
①生徒様のペースにあわせ、適宜助言をする
塾や学校は、生徒様一人一人に準拠しているわけではないため、理解が追いつかないまま授業進度においていかれている場合が多くあります。
生徒様の学習ペースや理解度に合わせて、
「英単語の知識が抜けているから、まずは単語帳を確認してみよう。」
|
といった具体的なアドバイスを心がけましょう。
また、勉強の質問に答えたり、一緒に考えたり、参考書や問題集・勉強計画を立てる手帳を購入するなどのサポートも効果的です。
②英語を勉強する環境を整備する
生活リズムを整えたり、静かな学習環境を用意したりすることは、英語だけでなく全ての教科の勉強に必要です。
また、英語の場合はデジタル学習ツール(電子辞書・リスニング教材など)の用意を特におすすめします。より効率的・効果的に英単語の意味や用法について調べることができるためです。
③英語に触れ合う経験をすすめる
学んだ英語を実践する機会を設けてみることも、苦手意識の払拭に有効です。学校での英語学習が苦手でも、交流会や留学、旅行などで生きた英語に触れると、楽しみながら英語学習のモチベーションをアップさせることができます。
私自身も中学3年生の夏に、オーストラリアで2週間程留学した経験があるのですが、日本との文化の違いに圧倒され、グローバルな視野を養えただけではなく、自分自身の限界を試し、突破する経験ができました。
④中学英語が苦手なら家庭教師を活用しよう!
とはいえ、家事やお仕事などで忙しい保護者にとって、生徒様の英語学習を継続的かつ細やかにサポートし続けるのは、容易なことではありません。そのような場合に有効な手段のひとつが、家庭教師の活用です。
豊富な経験を有する教師から直接指導を受けることで、生徒様が効率的に課題を克服し、着実に力を伸ばすための大きな助けとなります。
5.まとめ
中学英語に苦手意識を持っている生徒様でも、正しい勉強法とサポートがあれば必ず克服できます。
英語は実用性が高く、将来にも役立つ大切なスキルです。毎日少しずつでも触れて、実力アップを目指しましょう。