1. 中学国語ができない3大原因
国語の成績を上げるためには、まず勉強法の重要性を認識することが不可欠です。
中学国語ができない・わからない・嫌い・苦手になってしまう原因は何でしょうか。
原因として考えられるのは、以下の3つです。
①他の科目に比べて、明確な解き方や答えが定まっていない
中学国語の読解問題は、暗記要素や典型的なパターン問題が少なく、問題の解法や記述の答えも一様に定まっていないため、どう解けばいいのかが分からなくなりがちです。
②長い難解な文章に読み慣れておらず、文意がつかめない
中学国語は、日常生活になじみのない抽象的な概念を用いた、構造が複雑な文章を扱うため、文意がつかみづらいです。さらに、文章量も増えるため、「できない」意識をもつ生徒様が多い印象です。
③古文・漢文の勉強が始まる
中学から新しく古文・漢文を扱いますが、単語や文法について詳しく扱わないため、どのように読解すればよいか迷われている生徒様もいらっしゃるのではないでしょうか。
2. 分野別|中学の国語力を伸ばす勉強法
では、どのように中学国語を勉強すればいいのでしょうか。
国語は、英語や数学に比べて勉強する重要度が低く見られる傾向にありますが、全科目に通ずる基礎的な読解能力を身につけることができるという点で、根源的な科目です。必ず、1週間に一度は長文読解練習ができるようにしましょう。
①説明文
(1)説明分のポイント
中学国語の説明文は、科学・国際・近代・言語・自己と他者・身体・文化・現代社会などのジャンルにより、主張のパターンがある程度決まっています。それぞれジャンルの内容を深堀りし、ノートにまとめて、概念をあらかじめ把握することで読む速度が速くなります。
例えば、言語に関しては「言語による世界の区切られ方」、近代に関しては「近代合理主義による時間・空間の均質化」についての主張がなされることが多いです。
さらに、パラグラフごとに要点を整理して、指示語、言い換え表現などに注意し、文構造(順接、対比、因果関係、論と具体例など)をつかむことも大切です。
以上のことを意識しながら演習を積むことで、文章を読む”感覚”をつかんでいきましょう。
(2)実際の問題の解き方
まず、文章を読む上で重要事項や設問の解答に使えそうな要素に線を引きながら読んでいきます。
具体例ではなく、定義や結論など、あとで見返すと要旨がつかめる必要最低限の情報に線を引きましょう。接続詞にもマークをつけると文構造がわかりやすいです。
さらに、傍線部分の少し後まで読み、該当する設問を解くというプロセスを繰り返すことが大切です。問題文を全て読んでから、問題を解き始めると、その設問特有の内容は忘れてしまいますし、時間に対して解答があまり進まないため、焦ってしまうからです。
全体の理解が必要な設問は、自分で引いた線や上部にまとめた要旨を読み直し、総合的に解答を考えましょう。
(3)記述問題
中学国語の記述問題は、要素を過不足なく抜き出し、助詞などを使って文章の繋がりを意識しながらまとめましょう。字数が多い/少ない場合は、抜き出した要素の取捨選択を行います。
また、記述問題は文末のまとめ方がとても大切です。理由問題は「〜から。」、説明問題は「〜ということ。」など、設問にきちんと応答しているのかを確認しましょう。
(4)選択問題
中学国語の選択問題は、それぞれの選択肢と問題文の傍線付近と照らし合わせながら、上部に(×、○、△)の記号を振りましょう。
○は「絶対これが正解」、△は「まだ確定ではないけど正解っぽい」、×は「この要素が間違っているから、不正解」という意味です。
最後まで選択肢を確認した後、△の選択肢を細部まで確認して正誤を判定し、解答を一つに絞りましょう。
また、「絶対~ない」「必ず~」と言いすぎている選択肢は、間違っている可能性が高いので気を付けましょう。
②小説
中学国語の小説も説明文と同じように、まずすべての設問をざっと把握し、該当する問題文の傍線付近に何について読み取ればいいのか、軽くメモをとりましょう。
小説は、情景や体験などから、心情の変化を客観的に読み取る設問が多いことがポイントです。問題文を読む際は、はじめに、場面設定(登場人物・時間・場所・背景・動作など)を確認しましょう。
そして、重要事項や設問の解答に使えそうな要素に線を引きながら問題文を読んでいきます。
また、小説は特に心情を表す表現や体験を表す表現にチェックを入れていきましょう。
設問に関しては、感覚で答えるのではなく、なぜそのようなそうなるのか論理的に説明する練習を行いましょう。
③古文・漢文
中学国語の古文・漢文において何より大事なのは古文の単語及び句法です。
古文の問題は一つの単語の意味+助動詞を含んだ文章に傍線部が引かれ、設問となる場合が多いです。そのため最低限の単語、句法を暗記しつつ、読解演習を積みましょう。
おすすめは古文や漢文の単語帳の1冊を何周もして完璧に覚えることです。
単語を覚えるだけで古文・漢文の点数が全く取れないという状況は避けることができます。
また、主語が明記されない場合が多いので、状況から主語を適宜補って文意を掴むことが大切です。そのためには、読みながら一つの文章が誰について話しているのか、誰の発言なのかを考えながら読み進めることが大切です。
特に敬語が使われている場合、上下関係が明確なので主語を把握する上で大きなヒントになります。
④漢字
中学生は英単語の暗記、日々の予習・復習などをこなさなければならないため、なかなか漢字を学習する時間がとれません。そのため、漢字が苦手なのを放置してしまう生徒様が少なくありません。
では、どうすれば効率的に漢字を習得することが出来るのでしょうか。
中学生レベルの漢検4級・3級の「読み」「書き」を中心に、日常的に勉強することがおすすめです。
何回か書いて練習を積む→熟語を覚える→3、4級の問題集の「読み」「書き」を完璧に解けるようにするというプロセスを踏めば、入試に十分対応できる漢字の知識を得ることが出来ます。
小学生レベルが怪しいようであれば、小学校6年生終了レベルである5級の勉強も行いましょう。
3. 中学国語の定期テスト・模試で点数を上げるためのテクニック
①テスト直前は古文漢文の単語帳を読む
中学国語の古文漢文は問題のほとんどが単語の意味を聞く問題です。そのため古文漢文において単語を覚えることは点数向上に直結します。
また、助動詞や主語の解釈が間違っていたとしても単語の意味を知っているだけで部分点がもらえる場合が多いです。そのため直前は単語帳を開いて一つでも多くの単語を覚えましょう。
②自分に合った解く順番を決める
中学国語の問題は現代文・古文・漢文・随筆などのテーマごとに分かれている場合が多いです。そのため、テーマごとの時間配分を行い、自分に合った順番で問題を解くことで、時間が足りないことによる未回答や焦りによるミスを防ぐことができます。
③漢字問題を落とさない
中学国語でよい点数を取る学生は漢字の問題を取りこぼしていることがほとんどありません。漢字の問題を解くだけで5~10点獲得できるため、おろそかにしないようにしましょう
④記述問題は最低8割うめる
多くの模試や入試では記述問題において、文字数が8割未満の回答は減点される場合が多いです。文字数が足らなかった場合は要素が抜けていることが考えられるため、もう一度文章を読み直し、要素を抜き出してくることをお勧めします。
4. 保護者様ができる3つの学習サポート
①勉強に集中できる家庭の環境づくり
長文読解で集中力が必要とされる国語を勉強する際に、環境を整えることはとても大切です。
生活習慣を整えさせるために、朝食、夕食、入浴、就寝の時間などを一定に保つことができるようサポートしましょう。
また、静かで居心地が良い勉強空間を作り出せるように、必要に応じてリビングのテレビやゲームの音を小さくしたり、スマートフォンなど集中力を削ぐものを近くに置かないよう心がけましょう。
さらに、やはり読解力の向上のためには、活字に触れ合う時間(=読書習慣)を作り出すことが非常に重要です。家庭に置く本の数を増やしたり、生徒様に面白かった本をおすすめしてあげてもよいでしょう。
②テスト後の振り返り
塾や学校では個々の進度に合わないこともあるため、生徒様の実力が数値として明確に表れるテスト結果をもとに、生徒様に合った学習法かどうかを定期的に確認し、助言することが大切です。
例えば、
「語彙力が足りないなら現代文単語帳を使おう」
また、質問に答える、一緒に考える、参考書や勉強ツールの準備をサポートするなどの関わりも重要です。ただし、生徒様の主体性を尊重し、自ら学べる環境を整えましょう。
③家庭教師を検討する
国語はご家庭様が教えるのが特に難しい教科の一つです。
なぜなら、教える側にも多くの知識や言語化能力・説明力が求められるからです。
現代文をはじめとする国語では解釈の仕方がひとつではないだけでなく、古文・漢文の知識なども多く求められるため生徒様からの質問にうまく答えることができない、という声も多く聞きます。
そんなときに頼りになるのが、国語に強い家庭教師です。
・「なんとなく」で解きがちな国語の論理的な解き方や読解のコツを指導できる
・生徒様一人一人の苦手分野や進捗に合わせた国語の指導ができる
・自身の経験に基づいた学習ペースの管理や継続的なフィードバックにより、生徒様のやる気を引き出し、勉強の習慣化を後押しできる
以上のような強みを持つ家庭教師が塾やご家庭様では補え切れない部分をしっかりサポートします。
まとめ
これまで、中学国語ができない要因やおすすめ勉強方法、保護者様のサポート方法などを紹介してきました。
中学国語は、漠然と苦手意識があることが多く、対策もおろそかにされがちですが、国語の各分野の基礎さえ固めておけば点数がかなり低く出ることはない科目なので、まずは自分の国語の勉強法の型を作り、基礎を固めましょう。
勉強・部活・行事すべてを楽しんで、生徒様が中学生活を満喫されることを願っています。
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