1. ギフテッドと発達障がいの違い

はじめにギフテッドと発達障がいの違いについて、共通点と相違点について解説していきます。

▼ギフテッドについて|あわせてチェック

【心理師解説】ギフテッドとは?特徴や適切な関わり方についてご紹介

 

①共通点

(1)特定の分野に対する高い集中力

ギフテッドと発達障がいの共通点として「特定の分野に対する高い集中力」が挙げられます。

ギフテッドと発達障がい、特にADHDは強く深い集中力を発揮することができます。

その集中力は周囲の状況が目に入らず、音も聞こえなくなってしまうほどです。

これがプラスに働けば良いのですが、子どものうちは時と場を選ぶことができず、自分の興味関心のあるものを見つけると飛びつくように行動してしまうため、「おかしな子」という印象を持たれてしまうのです。

(2)他者に対しての関心の薄さ

また、「他者に対しての関心の薄さ」も共通しています。

ギフテッドの場合高い能力をもっているがために他人に合わせることに疲れてしまったり、「他人からどう思われるか」よりも「自分が何をしたいのか」を優先してしまうため人間関係が希薄になりやすいです。

一方で発達障がい、特に自閉スペクトラム症の場合は、相手の気持ちになって考えることが苦手であり、自分本位な言動をとったり、相手の言っていることの本質を読み取ることができず、興味関心を失ってしまったりと、ギフテッドとは別の理由で対人関係スキルが低くなってしまうのです。

(3)高い能力がある

そして最後に「高い能力がある」ことが挙げられます。

これがギフテッドと発達障がいが混同されやすい一番の原因だと考えられています。

ギフテッドが高い能力を有しているのは周知の事実ですが、発達障がいでも高い能力を発揮する場合があります。

発達障がいをもった方が音楽や絵画などの芸術面で素晴らしい作品を残したり「サヴァン症候群」のように高い記憶力や計算力を持っていたりすることもあります。

このことから「普通でない才能を持っている」=「障がいがあるのでは?」という誤解に繋がり、「ギフテッド=発達障がい」という考えが広まってしまったのだとされています。

 

②相違点

(1)能力値

次に相違点ですが、一番大きな点は「能力値」にあります。

ギフテッドの場合は全体的に能力値が高いだけでなく、さらにそこからずば抜けて高い力ももっています。

一方で発達障がいの場合の多くはがくんと下がっている部分があったり、逆にグンと高い能力があったりしいますが、総合的にみると平均的か、少し平均を下回ることが多くあります。

この部分が一番大きな違いとなっています。

(2)困りごとがある際の理由

また「困りごとがある際の理由」も異なります。

例えば「授業に集中できない」という困りごとがある際に本人の話や様子を見ていくと、発達障がいの場合「色々な刺激に敏感に反応している」「キョロキョロして意識が授業に向いていない」ため「授業に集中できない」のですが、

ギフテッドの場合「授業がつまらない」「同じ話を何回も聞くのが苦痛」であるため「授業に集中できない」ことが多いです。

つまり、同じ「授業に集中できない」という悩みでもその背景はそれぞれ異なっており、こういった部分からギフテッドなのか、発達障がいなのかを見極めていく必要があるのです。

 

2. 2Eとは?

ギフテッドと発達障がいの相違点について紹介しましたが、なかにはギフテッドであると同時に発達障がいをもっている方もいらっしゃいます。

彼らは2Eと呼ばれており、ギフテッドとも発達障がいとも違った支援が必要とされています。

2Eとは何なのか、どんな特徴を持っているのでしょうか。

次に2Eについて解説していきます。

 

①twice-exceptional

2Eとはtwice-exceptional(二重に例外的な)という意味で、ギフテッドと発達障がいを併せもっている方を指す言葉です。

ギフテッドにはギフテッドにあった支援があり、発達障がいについても同じことが言えますが、2Eの場合にはその両方、もしくはさらに大きな支援が必要になるケースがあります。

 

②2Eの特徴

2Eの特徴は「能力間の差が激しい」ことが挙げられます。

ギフテッドの場合はどの能力も平均以上の場合が多いですが、2Eの場合は、ギフテッドのように特出した能力もあるものの、一方で発達障がいのようながくんと落ちてしまっている能力もあるのが特徴です。

「この分野はすごく出来るのに、こっちは全然できない」ということが生じやすく、具体例として知的活動はずば抜けているけど、対人コミュニケーション技術が低かったり、文字を書く・文脈を読み取ることが著しく苦手だったりするなどが挙げられます。

 

3. ギフテッド、発達障がい、2Eの判別方法

ギフテッドと発達障がい、そして2Eについて整理できたところでそれぞれの判別方法について解説していきます。

2つの検査を紹介していきますが、どれも100%の精度を持っているわけではありません

あくまで医学的診断の参考資料という位置づけになります。

気になる方はお医者様の指示のもと受けてみてください。

 

①WISC

はじめに知能検査です。一般的にはWISC(ウェクスラー式知能検査)がよく用いられます。

知能を構成する4つの領域についての問題に答え、その点数をもとに知能を数値化するだけでなく、得意不得意分野を明らかにし、平均との差を調べていきます。

ギフテッドの場合は全体的に数値が高く、特に言語理解と知覚推理の数字が高いとされています。

発達障がいの場合は平均的な部分もありますが、特定の能力が低く、発達の凸凹がみられることが多いです。

特に「処理速度」や「ワーキングメモリー」の数値が低く出やすい傾向にあります。

2Eは平均より高い能力があるものの、一部の力が著しく低く能力感の差が激しいケースが多く報告されています。

これらの特徴からギフテッドと発達障がい、2Eを判別することができますが、「知的に高いからギフテッド」、「領域感の差が激しいから2E」と安易に考えることはできません

生徒様の置かれている環境や育ってきた経緯などを、総合的に判断していく必要があります。

 

②QEEG検査

またギフテッドと発達障がいの判別の際にQEEG検査も用いられる場合があります。

QEEG検査とは、定量的脳波検査のことで、脳波を可視化し解析することで、脳の状態を把握するために行われます。

脳のどの部分がどんな時に強く働いているのかを測定し、これまで得られた他の脳波と比較して脳の特徴を把握していきます。

ですが、QEEG検査によって確実に判別できるところまでは研究が進んでおらず、「似たパターンの脳波である」ことがわかるのみで、ギフテッドであると断言したり、発達障がいの診断につながるところまではきていません

今後研究が進められ、QEEG検査によって高い精度での判別ができる日が来るかもしれませんね。

 

4. ギフテッド、発達障がい、2Eの生徒様への対応方法

次にギフテッド、発達障がい、そして2Eの生徒様への対応方法について解説していきます。

それぞれが特別な支援を要しますが、その中身は同じではありません

それぞれの特性にあった関わりをしてあげてください。

 

①ギフテッドの場合

生徒様がギフテッドの場合は過度に期待をしたり、特別扱いしたりせずに、生徒様が自然体で楽しめる空間や場所を作ってあげましょう。

ギフテッドの生徒様の場合、「普通でないこと」「高い能力を持っていること」にコンプレックスがある場合があるため、過度に期待したり、特別扱いすることで、「両親もわかってくれないんだ」と家庭でも居心地の悪さを感じてしまいます。

知的に優れていたり、非凡な才能をもっていたとしても精神的にはまだまだ子どもですので、親子の時間や甘えられる時間を作ってあげつつ、生徒様がのびのびと過ごせる環境を家庭や「ギフテッド集いの場」などで作ってあげてください。

 

②発達障がいの場合

発達障がいのうちどの障がいなのかによりますが、基本的には苦手としている部分を補い、得意な部分を伸ばす関わりを続けてあげてください。

例えばADHDなら服薬をしながら自分をコントロールする感覚、「動きや衝動をを止められた」成功体験を積み重ねていきます。

止められない場面があっても、「人にもどうしょうもないことだ」「本人が一番苦しんでいるんだ」という理解を持ち、責めるのではなく

 

「どうしたら楽に暮らしていけるのか」

 

を考えてあげてください。

自閉スペクトラム症の場合は対人関係に苦手さがあるため、SST(ソーシャル・スキルス・トレーニング)などを通して社会性を高めると同時に、

 

「こういう時はこうする」
「こう言われた時にはこう返す」

 

といった対応方法のパターンをあらかじめ確認しておけるとスムーズなコミュニケーションを取ることができるようになります。

 

③2Eの場合

2Eの場合ギフテッドと発達障がいの両方の支援を混ぜつつ、本人の苦手な部分を周囲に説明していけるといいでしょう。

2Eの生徒様はずば抜けた能力があるせいでできない部分についての理解が薄くなってしまう場合があります。

例えば知的にものすごく高い能力を持っているものの文字を書けない、認識できないといった学習障がいをもっている生徒様の場合、

「これだけ頭がいいのだから書けない・読めないなんておかしい」「怠けている/バカにしている」などと誤解されてしまうケースがあります。

そのため、生徒様の状況や得手不得手を、生徒様がうまく伝えられないうちは保護者様が説明し、周囲から誤解されないようにしていくことが重要です。

 

5. ギフテッド、発達障がい、2Eの相談先や支援機関

最後にギフテッドや発達障がい、2Eの生徒様についてサポートしてくれる機関について解説していきます。

ギフテッドや発達障がい、2Eはその特性から育てにくさを感じることが多いです。

そのため、生徒様や保護者様を支援してくれる機関はたくさんあり、うまくサポーを受けていくことで生活の質を上げることができます。

 

①ギフテッドの場合

特定非営利活動法人日本教育再興連盟が行っている『ギフテッドプロジェクト「sprinG」』(注1)という団体がギフテッドへの支援を行っています。

インターネットを通じてギフテッドの生徒様同士が交流、保護者様への支援として「親の会」の開催などの活動を行っています。

オンラインで繋がることができるので日本全国の同じ悩みを持つギフテッドの方と繋がることができますし、地域は限定されていますが、対面での交流会も開催されています。

また周囲の人には共感してもらえない保護者様の悩みについて話を聞いてもらったり、助言をもらったりすることができます。

このほかにも東京大学先端科学技術研究センターでのプログラムなど、様々な団体がギフテッドの生徒様をサポートしてくれます。

文部科学省(注2)もギフテッド教育については「大学や民間団体などが担う役割が大きい」としており、今後もギフテッド教育の幅が広がっていくことが予想されます。

 

②発達障がいの場合

発達障がいの場合は医療・教育・福祉の分野で支援を受けることができます。

医療的支援:医師による診断、服薬による症状の緩和・改善、プレイセラピー
教育的支援:特別支援学級や通級指導教室、市などが運営する適応指導教室、スクールカウンセラーによるカウンセリング
福祉的支援:放課後等デイサービスでの療育支援

 

どれも単発的な支援というよりも、様々なサービスを総合的に受け、障がいと付き合いながらより適応的な生活ができるようになることを目指していきます。

どの支援も必ず地域で受けることができるため、まずは医療的支援を受け、教育、福祉へとサポートの輪を広げてあげてください。

 

③2Eの場合

ギフテッドと発達障がいの支援機関であれば2Eについても支援してくれますが、特に2Eの支援を掲げている団体としてNPO法人翔和学園(注3)があります。

翔和学園はフリースクールとして2E教育に力を入れており、自分の特性を知り適応的な生き方について学ぶだけでなく、居場所として安心して生活できる場としての機能しています。

東京都と長野県にしかなく、募集も若干名と狭き門ですが、同じ2Eで悩む生徒様や保護者様が集まり、交流することができます。

 

まとめ

今回はギフテッドと発達障がいの違い、2Eについての概要、それぞれの判別方法と対応方法、支援機関について解説してきました。

一般的な子どもと異なり、ギフテッドや発達障がい、2Eの生徒様は独特の価値観や特性、育てにくさをもっています。

もちろん彼らの得意なこと、才能を伸ばすことで輝かしい未来に繋げることができますが、一方で対応を誤ったり、適切な支援を受けることができない場合、不登校や引きこもりなど、社会との交流が絶たれてしまう可能性もあります。

そのため生徒様の状態にあった対応・支援を行っていく必要があるのです。

今回紹介した内容が、生徒様と保護者様がよりよく生きていくためにはどうすればよいのか、何をすべきなのかを考え、話し合うきっかけになると幸いです。

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