1. 日能研の全国公開模試とは?
「全国公開模試」は名称のとおり、日本全国の日能研の校舎で開催される全4教科の模試になります。
日能研に通わない生徒様も数多く受ける模試で、日能研に通う生徒様は4年生から必ず受験します。
①全国公開模試の規模
全国で1学年約1万2000人の小学生が受験しており、「首都圏模試」や「四谷大塚模試」と並ぶ中学受験で最大クラスの模試になります。
科目は全学年、4教科もしくはの2教科(国・算)を選択できます。
②全国公開模試の目的
このテストは中学受験を目指す生徒様が実力を判定するために受験するものです。
多数の受験者数が確保されているため、信頼性の高い学力判定データを提供されます。
③学年や時期ごとの名称とその意義
(1)4・5年生:「実力判定テスト」
文字通り、実力テストです。
日能研のクラス分け・進達確認にもなっています。
(2)6年生前半:「志望校選定テスト」
実力判定テストと大きく変わりませんが、志望校データなどの情報が揃い始めます。
名称を変えることから生徒様の意識を高める狙いもあります。
(3)6年生夏:「志望校判定テスト」
初めての志望校判定テストです。
しかし生徒様、保護者様はまだ半年と考えて順位を重く受け取らないほうがいいでしょう。
(4)6年生9月以降:「合格判定テスト」
合格答案例・志望校頻出分野別成績情報などの詳細なデータと志望者数全体の中での順位、志望校合格のために細かく何が必要かを分析したデータが出ます。
④受験回数
4年生:9月まで隔月、以降月1回
5年生:月1回
6年生:月1回。12月のみ入試本番直前のため月2回開催
⑤配点とテスト時間
【4年生】
・国語・算数(各40分/各150点)
・社会・理科(各25分/各100点)
【5年生】
・国語・算数(各50分/各150点)
・社会・理科(各30分/各100点)
【6年生前半】
・国語・算数(各50分/各150点)
・社会・理科(各30分/各100点)
【6年生9月以降】
・国語・算数(各40分/各150点)
・社会・理科(各35分/各100点)
※6年生最後の公開模試の社・理は各30分で実施しています。
2. 全国公開模試の出題範囲と傾向、難易度について
「全国公開模試」は実力テストであり、日能研での授業の定着度を測る復習テストの位置づけとなっている「学習力育成テスト」とは性質がまったく違います。
そのため出題範囲や傾向、難易度も変わりますから、ここでしっかり確認して模試に臨むようにしましょう。
①出題範囲と傾向
基本的に出題範囲の指定はない、完全な実力テストです。
ただし、4年生、5年生は直近3〜4カ月の日能研の授業で習った内容が中心に出題されやすく、6年生は徐々に出題範囲が広くなります。
傾向としては、どんな生徒様も正解すべき問題から、しっかり理解しなければ解けない応用問題まで幅広く出題されています。
②難易度について
日能研の「全国公開模試」は、中堅校から難関校までを広く対象した問題作成で、難しすぎない、ほどよい難易度になります。
ただし、最難関校を目指す生徒様には少し難度が足りていないところも見られます。
3. 全国公開模試によるクラスの昇降基準
「全国公開模試」は生徒様にとって自分の今現在の順位が分かる大切な模試ではあります。
ですが、月1回(4年生前期は隔月)実施される模試だけで、クラスの上がり下がりが決まるわけではありません。
クラス替えの判定は「全国公開模試」の順位と「学習力育成テスト」の共通問題の順位をベースにしています。
クラスの上げ下げは、これに学習力育成テストの基礎問題、応用問題の点数も加味して最終的に決定されます。
4. 全国公開模試の対策方法
中学受験の最終目標は志望校合格です。
ですので、目の前の模試に必死になり過ぎてはならないことが大切になります。
ここでは、毎月訪れる「全国公開模試」への“これだけは”という最低限の対策をご紹介します。
①科目を問わない、おすすめの対策方法
(1)解き直しを事前にしておく
前提として公開模試自体は試験範囲がない実力テストですから、模試のために必死に勉強を重ねることは物理的にも時間的にも不可能です。
付け焼刃のやみくもな勉強や暗記主体の学習では、得点や偏差値は上がってはいきません。
おすすめは直近4カ月に行われた「学習力育成テスト」で間違った問題の間違い直し(解き直し)になります。
6年生は、これに直前2回分の「全国公開模試」の間違い直し(解き直し)を加えても良いでしょう。
ただし、日々の学習もありますからやり過ぎは禁物です。
間違い直しをする問題は、正答率も参考に取捨選択をして、苦手単元に絞るようにしましょう。
(2)試験中のタイムマネジメントを意識する
どのような試験でも満点を取る必要はまったくありません。
中学受験でも約7割を正解すれば合格できるとされています。
そこで次に意識してほしいのは、試験中のタイムマネジメントになります。
これを簡単に言い換えれば「できる・できない」の取捨選択を賢くするということです。
このことは普段から「学習力育成テスト」でも練習ができますから、ぜひ取り入れてください。
②国語の対策方法
「全国公開模試」の点数アップにかかわらず、中学受験の本番に向けたテストにおいて国語の成績を上げるためには、読解力・記述力を高めるが一番です。
そのためには、まずは問題文を読みながら「内容を理解できる」チカラが不可欠となり、そのうえで「答えを見つけられる」「自分の言葉で書ける」チカラが必要になります。
これには、やはり日々『本科教室』や『栄冠への道』に出てくる文章を読み、「どんな話だった?」「この段落は、どんなことが書いてあった?」と保護者様が問いかけ、生徒様がに説明することにつきます。
これは国語の成績が伸びない6年生にこそ、実践してもらいたいものになります。
このときに、語句漢字の意味が分からなければ進まずに嫌になりますから、『計算と漢字』で書き取りをしっかり行うことや、知らない言葉はその都度調べてボキャブラリーを増やすことは必須になります。
③算数の対策方法
基本は直近4カ月前の「学習力育成テスト」で間違った問題を見直して(解き直して)模試に臨むのが理想です。
見直しには自分の苦手な問題が並んでいますから、その類題を正解できれば点数アップが期待できるからです。
ですが、そう毎回うまくいくものでもないと思いますので、「全国公開模試」は苦手単元のあぶり出しだと割り切って考えるのもひとつの方法になります。
間違い直しをして臨んでもうまく解けなかった模試の問題こそ、自分の課題発見だと前向きにとらえて、次の模試への対策に活かしましょう。
万一、計算でミスがあるときには、今一度『計算と漢字』でタイムを測りながら毎日10問ずつ解くこと徹底するようにしましょう。
④理科、社会の対策方法
4年生・5年生前半においては、理科・社会は点数や偏差値を気にせずに、単元の得意不得意の発見だと割り切っても構わないでしょう。
誰でも好き嫌いはあります。
理科ならば生物系は好きでも科学・化学系は苦手ということも少なくありません。
社会の地理は好きでも歴史の年号は…という生徒様も多くいます。
そのようなときは家族で単元に関連するイベントに出かけるなどから興味づけを行うのがおすすめです。
5年生後半、6年生になってくると、知識を定着させることが大事になってきます。
その時には『メモリーチェック』を繰り返して知識を定着させたり、「学習力育成テスト」の間違いの解き直しをして、正解できるように努めていきましょう。
5. 家庭内でできる、全国公開模試の対策サポート
当たり前のことですが中学受験はまだ幼い小学生の生徒様が挑むものです。
そんな小学生には保護者様として、「解くことに集中させてあげる環境をつくる」ことが最も大切になります。
では、解くことに集中させてあげるとはどのようなことでしょうか。
①解きなおす問題を選んであげる
前述のとおり、直近4カ月の「学習力育成テスト」及び6年生においては過去2回分の「全国公開模試」の見直し(解き直し)をすることは、点数アップはもとより苦手単元の克服にも有効です。
保護者様には、見直し問題の選定をぜひお手伝いいただければと思います。
ある保護者様はテストをコピーし間違った問題を切り抜き張り付けて、新しいノートに整理。
これを『リベンジノート』と名付けて、生徒様のモチベーションをあげつつ、取り組みやすいようにされていました。
このような工夫もご家庭で行えるサポートになります。
②解きなおす問題はできるだけ絞る
解きなおす問題は多ければ良いというわけではなく、むしろ生徒様は嫌になり逆効果です。
そのため適度な問題数にするために、正答率表の「%」を参考に、現在の所属クラス、志望校に合わせてなるべく絞りましょう。
クラスごとの解き直し基準は、以下の通りです。
・上位クラス(最難関校志望):正答率20%以上で間違っている問題
・中位クラス(難関校志望):正答率40%以上で間違っている問題
・下位クラス(中堅校志望):正答率60%以上で間違っている問題
また生徒様の体調や忙しいさなどから、その中からさらに
・特に苦手な1つの単元に絞る
・国語、算数のみにする
などで、次回テストの結果を確認してもよいでしょう。
6. 全国公開模試の結果が良くなかったときは、どう受けとめて次に活かす?
公開模試の点数が悪いことで最も困っているのは生徒様ご本人です。
何も気にしていないように見えたとしても、内心は「怒られるのでは?」と動揺している生徒様がほとんどでしょう。
誰しも調子の良し悪しはあります。これはテストに限ったことではありません。
保護者様はこのポイントをしっかりと認めつつ、点数が悪かったときにこそ、まず生徒様に寄り添ってください。
それが次への、ひいては本番での対処法の発見につながります。
こちらでは「結果が良くないときこそ、次に活かせないか」をみていきましょう。
①結果が良くなかった理由を一緒にさがしていく
まず始めに今回、結果が思わしくなかった理由を生徒様と一緒に探していきましょう。
体調が悪かったのでしょうか。それとも苦手な単元が多く出題されたのでしょうか。
はたまた、なかには月1回ペースの公開模試にはいつも緊張してしまう生徒様もいます。
これは入試本番に向けて「どうすれば緊張がほぐれるか」を一緒に見つける大きなチャンスでもあります。
このように生徒様に寄り添って結果に対する理由を探していくことが、必ず次へのステップとなります。
②精一杯の間違いは、次への大きな改善点
体調も万全に精一杯受験したにもかかわらず、結果が振るわないことも多々あります。
全国公開模試は範囲のない実力テストですから、その間違いにはこれまでの学習の未修得が表現されます。
言い換えれば、それは次への大きな改善点、進むべき青信号です。
保護者様はぜひ、前述の通り、正答率の「%」も参考にして見直すべきテスト問題の選定をしてください。
そして、次回のテストで類似の問題に正解していたならば、生徒様を大いに褒めてあげてください。
特に6年生においては、これこそが全国公開模試を利用した“成長”というものになります。
▼日能研についていけない際の対策の詳細は、以下ページも併せてご覧ください。
最後に
今回は「日能研全国公開模試」の概要と対策ポイント、学習方法、模試の活かし方などを解説しました。
約1万2000名が受験する「全国公開模試」では、精密な偏差値とはっきりした順位が出るために、そこにばかり気持ちが引っ張られてしまいます。
ですが、生徒様ご自身の現状の習得度、得意不得意がはっきりと見つけられるのは実力テストだからこそです。
ピタッと合う対策は生徒様1人ひとりで違います。
今回の内容を参考に、ご家庭で全国公開模試を上手く活用できるようになりましょう。
▼当会では、日能研生への指導に特化した家庭教師をご紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。
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